個人向け社債ウォッチ!

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三菱UFJが「コロナ債」発行へ

三菱UFJがコロナ債と称する社債を発行するそうです
ソースは時事通信

この社債が個人向け社債なのかどうかは分かりません。
約600億円を発行するとのことですが、募集額が567億円だったり、金利が0.0567%だったりしたら嫌だなあと思います。

現状、日本の感染者は世界各国に比べ相当少なく、死者の数も相当少なく、最終結果である超過死亡がマイナスになるのではないかとさえ言われています。皆が手洗いうがいに勤しむようになった結果、インフルエンザによる死者が減るためだそうです。

こうなると、ここまで経済をガタガタにする必要があったのかという話が当然出てくるわけですが、日本の感染者数や死亡者数が少ないのは、経済をガタガタにしてでも封じ込めたからだと言えるわけで、中国にせよ韓国にせよ、緩めた途端に再び感染者が増えてきたわけで、このままなし崩し的に経済を再開してしまうと、また感染者が増えて再び強度の自粛入りとなり、問題が長期化してしまう可能性が高いです。

もっとも、ゴールデンウィークのあたりからなし崩し的経済再開は既に起きているとも言える訳で、その結果はもうじき新規感染者数として出てくるわけです。今月後半の感染者数に注目です。

ところで、ここにいる社債投資家の皆さんは、持続化給付金をはじめとした各種支援策は既に受けられたでしょうか?今回、国による持続化給付金、都道府県による自粛要請関連の給付金、さらに市町村による独自政策という3段構えの経済対策が事業者向けには取られており、さらに第2次補正予算において家賃支援が行われる見通しという、事業者が国にタカることを全力で許容する状態になっています。政策の是非はありますが、制度として出来てしまったらさっさと貰い、流動性を厚くして備えることが重要です。

なお、都道府県によって支援策はバラバラであり、さらに市町村レベルになると、独自策をやっていない自治体も多いという状況で、申込がネット限定だったり紙限定だったりと、情報弱者にとっては相当厳しい事態です。この記事を見ているという事は少なくともインターネットには接続出来ているということですので、3段構えの情報をキッチリ取りに行っていただければなあと思う次第です。

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SBI債とかマスクとか

SBI債ですが、shasaiwatchは退場中なので買いません。皆さんに買うこともおすすめしません。投資判断は買い非推奨です。

理由ですが、BBB格で2年0.6%という値切りっぷりです。これだけ社会が混乱している中、まだまだいい社債は出てくるはずで、ここは待機でも良いと思います。

コロナが落ち着いたら相場も上げに向かうので、潰れはしないと思いますが。


マスク配布の話題ですが、1世帯2枚というお笑い政策とされていますが、この国には世帯数が5000万あるわけで、本当に配布するとなると1億枚のマスクを配る必要があります。月産6億枚しか生産力がない中で、1億枚の余剰を捻り出した事は賞賛されてしかるべきだと思います。

マスクふざけるな!という人は、そのマスクをヤミで転売してはいかがでしょう?需給逼迫の昨今、案外10万円とかで売れたりして、生活保証になるかもしれませんよ?今はまともにマスクが買えないので、shasaiwatchはありがたく使います。

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コロナで大騒ぎする中、これからのことを考えてみる

先日、無事退場となったshasaiwatchですが、現預金を守ることには成功し、今後事態の鎮静化を待って再度参戦する方針です。日本政府は大規模な財政出動を予定しているようですが、shasaiwatch家はなんだか緊縮財政で、値下げシールが貼られたものが増えています。値下げシールを貼った直後は安売り狙い主婦クラスターが熱気オーバーシュートで濃厚接触するのでそこまでせんでいいと言っているのですが、テメエのせいだろ文句言うならテメエが行けと言われており、モノを言うのも自粛です。

さて、家庭の話から一気に世界情勢まで拡大してみると、どうやら日韓台がコロナ防疫勝ち組で、後は全部負け組ということになりそうですが、日本式と韓国式+台湾式では果たしてどちらが優れたやり方だったのかは、今後長期にわたって議論になりそうです。韓国と台湾は北朝鮮や中国による生物兵器戦を想定していたため、抑え込みに成功したとする意見もあり、早期検査、早期隔離による封じ込め戦略と、重症者の治療に全力を注ぎこむ戦略とでは、どちらが有効だったのかについては現時点では分かりません。生物兵器であれば韓国+台湾のやり方が正しいんでしょうね。重症化率、致死率とも非常に高く、感染力の低い菌が使われるでしょうから(感染力が強いと自国に跳ね返ってきてしまう)。今回のコロナウイルスの場合は感染力が高く、重症化率や致死率が低めだったので、日本式が有効だった、ということでしょう。

そういうことから考えると、中国の生物兵器説というのは滑稽です。自国に跳ね返るような感染力を持ったウイルスを生物兵器として開発するバカはいません。おそらく武漢の研究所で飼育されていた研究用コウモリを処分する際、処分業者が適正に処分せず市場に持ち込んだ、という現場猫的というかいかにも中国的というか、そういう理由なんでしょうね。で、その処分業者は中国の高官の誰かと繋がっていて、真実を明らかにすると権力的にヤバい。だから必死になって隠し、外国のせいにしていると。まあ、こんなストーリーが妥当なところなんじゃないでしょうかね。

その中国現場猫のせいで世界経済には甚大な被害が出ているわけですが、今後何が起きるかについて考えてみたいと思います。まず、色んなモノの生産が中国依存だったため、中国が封鎖になると全ての物が滞る、ということが分かりました。これをリスクと見ないグローバル経営者はいません。製造拠点の分散、特に脱中国が進むでしょう。日本では東南アジア、インド。西欧では北アフリカ、東欧。北米では南米に生産拠点を持とう、という考え方が広まるでしょう。もちろん、伝染病というのは中国だけで発生するわけではないので、最低でも地域をまたいだ2か国に拠点を持つべし、となるでしょう。また、医薬品やマスクなどの医療消耗品は一定程度国内生産を維持し、備蓄をするべきだ、と考えられるようになります。ここに各国の政府は予算を使うことになるでしょう。

次に、政府の権力を強大化する方向で各国とも改革が進むでしょう。日本の非常事態宣言の生ぬるさが徐々に明らかになってきていますが、一方で成功例である台湾の事例を見ると、政府が結構強烈に権力を行使しています。中国も権力の強い国で、その強い権力をもって事態に臨みましたが、国民が政府を信頼していないので統制が取れなかったことや、発生源であり手探りで事態を収拾しなければならなかったため、悲惨な結果となりました。つまり今後は、「民主主義的で国民に信頼されており」「強力な権力をいざとなったら振るえる」政府が求められるため、民主主義の一段のアップデートが求められます。また、中国やイタリアのように国民が不安から勝手に行動し、政府の政策を失敗に追い込むような事がないよう、国民に事前に安心感を与えた上で権力を行使することも求められるでしょう。日本の非常事態法制も今回の反省を取り入れ、新たに作り直されることとなるでしょう。

新たな公共事業として、都市の清掃が注目されるかもしれません。汚い町は感染症の温床です。一方で都市の美化・浄化は人手を大量に消費するため、なかなか実施出来ません。しかしながら、不況時に政府が直接雇用を行い都市の清掃を行わせることにより、感染症の予防が期待できます。失業を感染症予防キャンペーンで吸収するというのは案外いい政策になるかもしれません。今後は世界的に高福祉高負担国家が志向されるようになるでしょう。高福祉国の北欧がコロナの抑え込みに成功しているためです。中国やアメリカの路線は見直しとなり、西欧の没落も明らかとなりました。今後、社会モデルとして北欧と台湾が世界をリードし、日本がこれを追いかけるという形になるでしょう。

こういう状況下で我々社債投資家はどう生きるべきかですが、とりあえず足元の金融不安を利用していかに安全な企業の社債を買い込むかです。情報に注目し、潰れない会社を見極め、好機としていきたいですね。

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shasaiwatch、退場

前回のブログを書いた後、ドル円で遊んでいたところ相場急変で無事死亡し、多額の損失を出しました。

この事態を受けて週末、shasaiwatch家で臨時政策決定会合が開催され、以下の事項が決定されました。

・これ以上ドル円で遊ばない(反対者0)
・自分の損失は自分で埋める(反対者0)
・リスク資産は一旦すべて売却し、現預金とする(反対者1)

こうして、shasaiwatch家では全ての株式、全ての債券を売却し、FXも一旦全て清算することとなりました。約1名強硬に反対する理事が居りましたが、闇の権力者の圧力に屈服せざるを得ず、最終的に東北電力債のみを残し、全て現金化となりました。なお、不動産は議題となりませんでした。

というわけで、コロナの影響がこんな辺境ブログにまで届いてしまい、shasaiwatchは退場となってしまいました。何とかお宝の東北電力債だけは売らずに済んだので、社債投資家としての肩書だけは守ったものと思っています。

さて、最近の経済情勢についてですが、どうやらコロナの影響をかなり甘く見ていたようで、経済危機がクレジット危機にまで飛び火する模様です。普通であればこういう状況だと金やビットコインが値上がりするものなのですが、金もビットコインも誰も買おうとせず、ドルだけが買われるという摩訶不思議な状態になっています。我々社債投資家にしてみれば、今こそ実力を見せる時で、好条件の社債がバンバン出てくることが予想されます。待機組は今ここにあるチャンスを逃さないよう、情報に注意しましょう。shasaiwatchも早期に闇の権力者の同意を取り付け、復帰したいと考えています(出来るかなー?)。

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ソフトバンク債について

いくつかコメントをいただいていますが、現時点ではソフトバンクは短期的な支払い能力があり、また資金調達環境も混乱していないことから、短期的にはソフトバンクがデフォルトすることは考えにくい状況です。頼みの綱のアリババ株も日経平均より落ちているわけでもありません。

ただ、今後の欧米でのコロナの影響は見極める必要があります。決算が出たタイミングで記事を書きます。

皆様と同じく、今回の混乱で胃が痛い状況ですが、とりあえずshasaiwatchはソフトバンク債をホールドし続けます。今のところは

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ソフトバンクが個人向け社債発行!

ソフトバンクグループが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:7年
金利条件:1.20%~1.80%
発行総額:4000億円
社債額面:100万円
募集期間:令和元年9月9日~令和元年9月19日
格付け:A-

久しぶりに更新します。ソフバン債が発行されることとなりました。
ソフトバンクグループは、ソフトバンク系列の中核持株会社です。子会社にソフトバンク、ヤフー、スプリント、ソフトバンク・ビジョン・ファンド、デルタファンドなどがあります。バリューコマースやソフトバンクホークスも子会社で、最近話題になりましたが、アスクルも傘下に収めています。

これだけの企業集団を形成しているにも関わらず、ソフトバンクグループは格付けが非常に低く、今回の社債はA-ですが、これは日本企業に対する格付けがアマアマなJCRの格付けであり、スタンダード&プアーズはBB+、ムーディーズはBa1と、いずれも「投機的」とされる格付けを付与しています。ちなみに、あと1つだけ格付けが上がればソフトバンクグループは「投機的」から「投資適格」に上がれるのですが、ハゲもとい孫正義が投資しないと死ぬ病なので、常に借金しては投資するというサイクルを繰り返しているため、格付けが上がる見通しは今のところありません。むしろ下がる可能性の方が高いです

さて、そんなソフトバンクグループの決算内容ですが、第一四半期決算は負債総額27兆円と去年の社債発行時に比べさらに2兆円を上積みしました。有利子負債は15兆円と横ばいですが、リース負債が前年同期比で2兆円増加しており、これを合わせると17兆円の有利子負債ということになります。この数字は、りそな銀行の全貸出金残高に近い数字であり、都銀4行の全ての貸出金残高の約7%に相当します。

さて、問題は返済できるかどうか、というところなのですが、ソフトバンクグループの第一四半期決算が1.2兆円の純利益となったことが先日報道されています。その内訳はというと、1.2兆円のうち1.2兆円がアリババ株の売却益ですwwwwww

もちろん、税効果があるのでアリババ売らなきゃソフトバンクは全く儲かっていないというわけではないのですが、第一四半期では営業利益は微減であり、さらに言うとビジョンファンドやデルタファンドからの利益が半分以上を占めている状態で、ハッキリ言ってここは携帯会社というより投資会社です。しかも事業会社のような資金の回転をしているので、常に資金繰りが忙しい。

営業キャッシュフローの状況は、第一四半期の段階で約5,500億円の赤字です。このうち法人税が9,900億円あります

誰だソフトバンクは税金払っていないって言ったのは

なお、このうち4,200億円は翌月還付になったとのことで、実態としては1,300億円の赤字というところ。まあ、四半期キャッシュフローで長期の償還力を計ろうというのは無理があります。ちなみに四半期決算ではなく、直近の有価証券報告書ベースでは、営業キャッシュフローは1.2兆円の黒字、フリー・キャッシュフローは1.7兆円の赤字でした。2.2兆円を調達して現預金残高をプラスに持っていってます。

shasaiwatchがソフトバンクに好感を持つのは、バリバリ投資してバリバリ成長してバリバリ稼ぐという企業のあるべき姿を実践しているところです。近年は企業セクターが貯蓄超過になっており、企業が成長投資を行なわず、かといって配当で家計に還元もしないという状況が続いています。こうした中で、どんどん投資を行うソフトバンクのハゲ姿は本当に素晴らしいと思います。

そういう思いでいますが、投資判断は中立といたします。7年1.5%という案件は非常に素晴らしく、またソフトバンク自身も今後一層の成長が期待できる企業です。さらに、もしもソフトバンクに何かがあったとしても、有利子負債の大きさから見て金融機関による支援が見込まれます。ソフトバンクが倒産すると、日本経済が大パニックに陥る上、世界経済にもかなりの影響があります。リーマン・ショックの半分ぐらいの影響が及ぶことと考えられるので、十分な支援は可能ではないかと思います。

しかし、昨今の国際情勢は予断を許さない状態になってきています。米中の覇権争い、韓国の発狂、ブレクジットなどの大きな問題が爆発しかねない状態です。もっとハッキリ言うと戦争リスクがかつてないほど高まってきています。ソフトバンクは通信事業や投資事業など、平和を前提に事業が構築されており、大規模な戦争が始まった場合、事業そのものがひっくり返りかねないとshasaiwatchは考えます。これがトヨタ自動車とか三菱重工とかであれば気にしないんですけどね。戦争のリスクはまだまだ低いものの、7年1.5%に賭けられるほど低くもないと思います。魅力的な案件であり投資する事は止めませんが、虎の子を突っ込むことは避けたいと考え、この評価といたしました。


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MMTの起源は日本という俗説

現在、世間ではMMTが話題です。しかも、その起源は日本にあるとか。

MMTとは、モダン・マネタリー・セオリーの略で、アメリカの左派ポピュリズム界隈で唱えられている理論です。ダニやシラミに効く発がん性物質ではありません(それはDDT)。秋元康プロデュースの揉め事が多いアイドルグループでもありません(それはNGT)。桑田の息子でもありません(それはMatt)。

アメリカでの流行を受け、日本でも立憲民主党などの左派ポピュリズム政党のみならず、財政拡大を支持する勢力から素晴らしい理論だと崇められています。日本版の「反緊縮」と称する勢力もこの理論をベースにしています。

理論の大雑把な内容は
・自国通貨を持っている限り、国債をいくら発行しても、中央銀行に引き受けさせてもインフレは起こらない
・国債発行によって予算を確保し、強力な財政出動(特に失業者の最低賃金での無制限雇用)を行うべき
・財政出動によって失業率が下がるとインフレが発生するが、この時に増税を行えばインフレは沈静化する
というものです。

また、この理論の実践例として、日本が挙げられており、日本は日銀が国債を実質的に引き受けており、通貨を市中にばらまいているが、インフレは起きていないという意見です。

まあ呆れたというか何というか、ジンバブエやベネズエラのような自国通貨を持つ国が極度のインフレに襲われたのはごく最近の事ですし、過去に起きたハイパーインフレというのは、理由は色々あれど最終的には通貨の過剰発行によるものばかりです。ちなみに、ハイパーインフレの原因というのは理由は2つで、1.生産や流通の停滞 2.通貨の過剰発行です。

戦争や戦争級の愚かな政策によって生産や流通が破壊されるとモノ不足が発生し、物価が急激に上昇します。これがよくあるハイパーインフレで、対策としては食糧支援を世界から受けながらインフラや生産設備に投資しまくることです。第二次世界大戦直後に日本で起きたインフレがこれにあたります。

ところが、こうしたモノ不足によるインフレを通貨発行で賄おうとすると、通貨の過剰発行に至り、国家の信用が崩壊します。先に挙げたジンバブエやベネズエラもそうですし、モノ不足を経由しない例としては、第一次世界大戦後のドイツが挙げられます。MMTも基本的には同じ運命を辿るでしょう。モノが不足していようと需要が不足していようと、通貨を過剰発行したらハイパーインフレは起こります。中南米の豊かな国だったベネズエラは、ハイパーインフレにより今や飢餓が発生し国民はペルー、コロンビア、ブラジルなどへ脱出を図っています。

さて、そういうところで気になったのは、日本がMMTのモデルだということ。日本政府は国債発行をアホみたいにしていて、日銀が国債を買い占めていることは周知の事実ですが、これは財政ファイナンスにあたるのでしょうか?日銀は通貨を過剰発行しているのでしょうか?調べてみました。

やや旧聞に属しますが、日銀の平成30年3月決算を見てみます。貸借対照表の資産の部を見ると、日銀は国債を448兆円保有していました。日銀の総資産が528兆円ですので、日銀の資産のほとんどが国債だということですね。一方、同じ貸借対照表では、発行銀行券は104兆円でした。発行銀行券というのは要は通貨であり万札であり諭吉先生であり現ナマなわけですが、現ナマが負債に計上されているというのはなんだか不思議な気がします。これは日銀は資産を民間銀行から購入して現ナマを発行しているので、現金は日本銀行の財務上は負債に計上する、ということなんですね。

そういえば諭吉先生は2024年を目途に引退だそうで、次の1万円札の顔は渋沢栄一だそうです。1万円札から発せられるメッセージが「勉強しろ」から「起業しろ」に変わるわけで、日本経済に対する喝であろうと思われます。

閑話休題、日銀は国債保有高が448兆円なのに対し、通貨は104兆円しか発行していません。全然通貨発行してない。ショボい。MMTじゃない。ていうか差額は何?というところですが、実は日銀は民間銀行から当座預金を受け入れており、その額が同じ平成30年3月決算時点で400兆円あります。結局のところ、銀行から資金を吸収して国債を買っていたというわけです。ちなみに内訳は、都銀が130兆円、ゆうちょ+信金+その他銀行が80兆円、信託銀行が50兆円、地銀が40兆円、残りが外銀や証券会社などです。

これらの銀行は、当然のことですが預金を受けいれて日銀の当座預金に資金を積んでいるわけで、結局のところ預金者のカネが回りまわって日本銀行の中で日本国債を買い支えているということが会計的に明らかになりました。

結論ですが、日本政府は財政ファイナンスは行っていません。日銀が保有している国債は、回りまわって国民の財布から出ている資金であることが分かりました。それはそれで腹立たしいですし、景気が悪化しつつある昨今、財政出動が必要であることは理解できますが、その財源を通貨発行益に求め、その理論をMMTに求めるのは悪手であるというと言えるでしょう。

もっとも、ハイパーインフレで国の借金を国民生活もろとも吹き飛ばしたいというのならば話は聞きますが、ベネズエラの惨状を見る限り、到底賛成は出来ませんよ。

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ソフトバンクグループが個人向け社債発行!

ソフトバンクグループが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:6年
金利条件:1.64%
発行総額:5000億円
社債額面:100万円
募集期間:平成31年4月12日~平成31年4月25日
格付け:A-

だいぶ遅れましたが、ソフトバンク債の解説です。昼は仕事しつつ、深夜の高速バスで東京大阪間を行き来したり、それが祟って体調を崩したり、ソフバン債よりもジャンキーな人生を送っているshasaiwatchです。

さて、ジャンキーという言葉が出ましたが、ソフトバンク債は、今回、A-の格付けを取得しておりジャンク債ではありません。ただし、これはJCRが格付けしたものであり、ムーディーズやスタンダード&プアーズはソフトバンクグループをジャンク級(投資不適格級)に格付けしています。JCRは日本企業に対する格付けが甘いので注意しなければなりません。

しかし、今回我々社債投資家の関心は別のところにあります。ソフトバンクが長期的に倒産しようとしまいと、この社債が元利とも無事償還されればよいのです。というわけで、ソフトバンクの2018年12月第3四半期の経営成績を見ていくことにしましょう。

決算の概要(第3四半期)は、売上高7.2兆円、営業キャッシュフロー9000億円、投資キャッシュフロー▲2.1兆円、財務キャッシュフロー3.3兆円と相変わらずイッちゃってるキャッシュフローです。そしてバランスシートはというと、何と有利子負債17兆円、その他の負債を含めた負債総額は27兆円に達しました。ちなみに、リーマンブラザーズ破綻時の負債総額は65兆円、原発事故の時の東京電力の負債総額が12兆円ですので、何かあった時の衝撃は、東京電力を超え、リーマンブラザーズの半分程度です。

逝ったが最後、金融恐慌を引き起こすクラスにまで膨張したソフトバンクですが、これが果たして6年後まで生き残れるのか、さらに見ていく事とします。

何と言っても良い点として真っ先に挙げられるのは、流動比率は現在100%を超えていることです。これは、当面1年間に支払わなければならない負債を、現在手元にある流動資産で賄えるということで、特にソフトバンクグループの場合、現預金で1年以内に償還すべき有利子負債が償還可能であるということが、当社の安全性を裏付けています。とりあえず1年間は潰れることはないでしょう、ということです。

一方、大きな問題点として挙げられるところもあります。ソフトバンクグループは本業での利益が乏しく、3四半期で1.5兆円に及ぶ純利益を計上しているものの、投資やデリバティブに関連する利益が大半です。しかも、FVTPL(損益計算書を通じた公正な価値)によって投資の価値を計算しているため、もしも投資先がうまくいかなくなってきた場合、一気にソフトバンクグループの損益計算書は悪化し、さらにバランスシートも猛烈な勢いで毀損するという、非常にリスクの高い財務構成になっています。

本業での利益が乏しいとはいえ、減価償却費が年間1.5兆円ほどあり、これは利益とは別にキャッシュフローになるものです。世界経済が逆回転を起こし、ソフトバンクグループの投資が大きく毀損した場合でも、本業でのキャッシュフローは存在しているので、ギリギリ有利子負債を償還できる水準にある、というのがshasaiwatchの見方です。

また、有利子負債規模がこのクラスになってくると、「大きすぎて潰せない」問題が発生します。ソフトバンクグループの負債水準はもはやそれ自体が世界経済を破壊しかねない大きさになってきており、もしも倒産に至った場合、金融収縮を懸念せざるを得ないと考えられます。そうなった場合、ソフトバンクグループに対し銀行支援、場合によっては政府支援が入ることも想定されます。こうしたことを考慮に入れると、今回の個人向け社債に限って言えば、償還は確実視してもよいだろう、と判断します。

投資判断は買い推奨です。社債投資家の皆さん、久しぶりに胃の痛い思いをしませんか。shasaiwatchも既に参戦しました。

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SBIホールディングスとSBI証券が個人向け社債発行!

SBIホールディングスとSBI証券が個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

SBIホールディングス債
発行要項
償還期限:2年
金利条件:0.43%
発行総額:200億円
社債額面:10万円
募集期間:平成31年2月20日~平成31年3月4日
格付け:BBB+

SBI証券債
発行要項
償還期限:1年
金利条件:0.38%
発行総額:40億円
社債額面:100万円
募集期間:平成31年2月20日~平成31年3月25日
格付け:A-

大変ご無沙汰しております。最近、仕事が忙しく、かつすごく儲かっているshasaiwatchです。仕事での稼ぎが運用収益を大きく超えるとなると、どうしても運用の方がおろそかになってしまい、ブログの更新も停滞しがちです。決してドラゴンクエストビルダーズ2にはまっているからではありません。ええ、決して。

さて、SBI債ですが、SBIホールディングスとSBI証券がそれぞれ別に発行しており、EDINETでも別々に情報開示されています。一方、SBI債としてSBI証券のサイト上で販売されているのはSBIホールディングスの社債の方で、SBI証券の方はそもそもサイト上では販売されていないようです。

最近、SBI証券の対面販売が増えてきているという噂を聞きますが、実際のところどうなんでしょう。SBI証券の社債の方は対面販売専用なんですかね。不確実性の高いご時世、どうせ金利が低いならなるべく短期で運用して長期投資のタイミングに備えておきたいので、可能であればSBI証券の方の社債を買いたいですね。ちなみにいずれも投資判断は買い推奨です。現在の金融環境、そして今後当面の金融環境から見て、SBIグループが2年以内にデフォルトに至る可能性は低いです。基本的には買いに行ってよい商品であると考えます。

最後に、最近立ち上がったソーシャルレンディングを紹介いたします。fundsというサイトで、クラウドポートというもともとはソーシャルレンディングのまとめサイトみたいな事業をしていたサイトですが、このたび自らがソーシャルレンディングに進出するようです。口座開設をしつつ、当面はお手並み拝見といったところでしょうか。
シェア投資Funds(ファンズ)

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景気減速の兆し

みなさんお久しぶりです。shasaiwatchです。

社債について書きたいこともなく、まともな社債は出ず、いい加減モチベも尽きかけている状況ですが、昨今の景気の状況を見る限り、今年はひょっとしたらひょっとするのでは?と思った次第なので、久しぶりに何か書きます。

・景気はピークを過ぎた。2019年は景気後退が確実視
昨年末から株価の動きが荒くなっていますが、景気は下降局面に入ったものと見られます。株価が下落している一方、不動産に資金が集まっており、さらにその不動産も「適正化」の名の下にバブル潰しが行われようとしています。この状況でリセッションにならない方がおかしいと言えます。仮想通貨バブル(暗号資産に名前変えるんでしたっけ)も既に終わり、日本の適温経済は終わりを告げたと言えるでしょう。

世界的な流れとしては、米中貿易戦争が世界経済を混乱させている中、ハード・ブレクジットの可能性が出てきており、欧州経済にも混乱の予兆があります。米国の経済というのはなかなか難しく、米国経済が好調だと利上げで新興国から資金が引き上げられて問題が起こり、不調だと世界中の株価指数がダメージを受けるという、どっちに転んでも困るんかい!という印象で、現在は不景気になりそうなので混乱、というわけです。2018年の秋までは新興国通貨パニック再来!とか言って騒いでたのにね。

米中貿易戦争は、ちょっと前まではTPPで対中包囲網形成だったのが、関税で対中経済戦争に形が変わっただけではないのかという印象を持ちますが、日本としては輸出も輸入も増えた方が国民経済にとってプラスなので自由貿易を望むのが正しい在り方なんですが、これが政治外交戦の様相を呈してくると、まさか中国につくわけにもいかず、かといってアメリカの先兵を勤めても親分は後ろから撃ってくる輩なので、これまた非常に難しい状況だなあと。


・2019年はひょっとすると軍事衝突か?
そんな経済情勢の中、日韓間に重大な問題が発生しました。レーザー照射問題です。正直なところ、韓国が秒速でジャンピング土下座すれば一瞬で解決した問題だと思うのですが、それをしなかったということは、結局のところジャンピング土下座が出来なかった理由があるのでしょう。

日本がこれを国連安保理に持ち込む可能性があるとのこと。おそらく、北朝鮮への何らかの支援を行っていたことを自衛隊機が掴み、それに対してレーダー照射を行ったということなのでしょう。もしもこれが事実だった場合、韓国は経済制裁の対象となりますし、その後も同様の主張を続けるようであれば「韓国と北朝鮮は実質一体」とみなされ、アメリカから切られることになります。北朝鮮は国際社会とのパイプを失う可能性が高く、金正恩が中国に行った理由もおそらく、韓国が使えなくなった場合の保険をかけに行ったのでしょう。

北朝鮮の非核化が進まない中、アメリカによる軍事攻撃の可能性も再開。中韓朝+日米の軍事衝突の可能性もあるといえます。第三次世界大戦前夜再び、です。


・となると、クレジットリスクがヤバいことになる
こうした情勢を踏まえると、日本企業のクレジットリスクが高まる可能性が出てきます。ただでさえ景気後退&締め気味の金融情勢となる見通しの中で、軍事リスクが高いとなればリスクプレミアムはうなぎのぼり。個人向け社債市場もいよいよ復活です。

というわけで、今年のshasaiwatchの投資方針は以下の通りです。
・リスク資産の購入はなるべく回避。流動性を高めておく。
・社債はリスクが顕在化したら買う。長期投資なので落ちているナイフを掴みにいってもだいたいどうにかなる。
・不動産は買わないが、金や外貨は少しだけ
・p2p金融は趣味なので、相変わらず全力

果たして今年はどうなることやら。とにかく無事に2019年を乗り切ることを目指しましょう。2020年東京五輪、2025年大阪万博と明るい将来は待っています。

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生存報告だけ

割とオフラインがギリギリです。仕事→接待→家族サービス→仕事→仕事→家族サービスみたいな感じで、勤労感謝の日があまり勤労感謝の日でなかったような状態です。このまま忘年会シーズンを迎えて大丈夫なのでしょうか?

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【悲報】SBIソーシャルレンディング、相変わらずだった

SBIソーシャルレンディングがバイオマスブリッジローンファンドの募集を開始しました。
ソースはSBIソーシャルレンディング

22億円の大型ファンドの募集なので、中身を見てみましたが、相変わらず詳しい情報が不透明です。バイオマス発電やるよ!金貸して!という話なのですが、正直なところスキームがよく見えません。


今回の借り手は、バイオマス発電事業者に融資を行う株式会社(バイオマス発電事業者の代表社員でもある)と、施工業者の代表者が代表取締役を務める株式会社であり、連帯保証人として施工業者の持株会社がつけられていますが、どういう意味合いなのでしょう。スキーム図を見る限りは、転貸を経て土地代金及び施工業者の立替資金になるように見えます。

この場合、順調にいくと土地が転貸資金によって購入され、建物と設備が建設され、その間の資金が施工業者に貸した金で賄われ、完成後にどこかの銀行から事業者本体が融資を受けて転貸資金を代表社員に返済し、施工業者に建物&設備代金の支払いが行われ、これをもって代表社員&施工業者が我々に返済を行う、という話のようです。

この時点で相当めんどくさい。実際に発電する事業者に直接融資付けちゃいかんのですかね?


担保権の設定にも疑問が残ります。土地に担保設定するのはいいのですが、建物と機械装置に対して担保設定を行うとのことですが、これは譲渡担保権で行うよりも、工場抵当法に基づく工場抵当で行うのが妥当ではないでしょうか。工場抵当が設定できない理由でもあるのでしょうか。

また、建物は完成後、機械装置は所有権移転後でないと担保設定が出来ません。そうでなければ建物は登記できないので担保設定が出来ませんし、機械装置は動産先取特権が残存した状態で担保設定をすることになるので、担保の意味を成しません。

さらに、施工業者に対しては実質的に立替資金となりますので、これらの問題を解決した上で担保設定を行うとなると、既に返済資金を確保した上で担保設定を行うこととなるため、担保設定をする必要性がありません。さっさと金返せという話です。

となると、この担保権は「バイオマス発電設備が完成した後、銀行が融資を付けない場合に、土地建物設備丸ごと売却することを想定した」担保設定ということになります。

しかしながら、これが実現した場合には、少なくとも設備は施工業者が動産先取特権を有している状態と考えられますので、実際の担保評価に比してオーバーローン状態となっていることが想定されます(担保評価額は22億1000万円)。

となると、担保権は実質的には土地と建物にしか効果を発揮せず、さらに建物はこういう状態ですから未完成・未登記も十分考えられます。また、土地はどこにあるか分からず、評価の裏が取れません。

これでは安全性の評価をしようにも出来ません。「バイオマス!年利9%!」で飛びつく人ぐらいなんでしょうか。こういう人は詐欺にも引っ掛かりやすいと思います。SBISLが延滞を起こした時、当ブログに突っ掛かってきた人もそういう人なんでしょうね。自分でリスクを図り、自分で投資するという基本的な考え方がなっていない人。こういう人は定期預金でさえ損失を出します。実際、日本振興銀行の時にはやられた!という人が当ブログでも出ましたね。

そもそも20億オーバーの投資をするというのに、自己資金はどこへいったのでしょう?全額ローンなんでしょうか?全額ローンで22億の投資をして、つなぎ融資に9%の金利で調達する企業は、shasaiwatchは信用しません。何もないことを期待はしますが、投資判断は買い非推奨です。スキームは無駄に複雑だし、保全は怪しいし、資金調達にも無理があるように思います。

でもさっき見たら13億円ほど既に申込されてるのなwww

この程度の投資案件でもワーッとお金が集まるんだから、本当に金余りなんだなあと思った次第です。


SBIソーシャルレンディング 出資募集プロモーション

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【悲報】shasaiwatch、新幹線に閉じ込められる

姫路の人身事故の影響で、shasaiwatchはただいま、新幹線の中に閉じ込められています。かなり時間がかかりそうなので、携帯からの投稿テストも兼ねてそんな訳です、という旨の記事です。

なに?Twitterでやれ?

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【朗報】SBIソーシャルレンディング、ちゃんと回収を頑張っていた

7月に延滞が発生していたSBIソーシャルレンディングですが、その後、ちゃんとまともな回収を行っていたことが分かりました。

経過
7月25日、競売申立

7月30日、19号ファンド、担保不動産売却

8月31日、16号ファンド、一部代位弁済により回収

9月20日、債権売却により552百万円を回収


これらの取り組みによって、各号ファンドの延滞残高はこのようになっています。
16号:82百万円
17号:0
18号:0
19号:136百万円
20号:118.5百万円
21号:70百万円
22号:297百万円

なお、回収できたファンドであっても、利息まできっちり取り立てられたかというとそうでもない模様です。まあ、デフォルトが発生したファンドで元金が還ってくれば正直儲けもの。利息損害金まで欲張ろうとするのはやりすぎというものです。

shasaiwatchの感想ですが、こいつらよく頑張ってるなという印象です。即刻競売申立を行った時点でこいつらやる気ねーわ競売終わるまで動かねーと踏んでいたので、任意売却に持ち込んだり、代位弁済や債権譲渡を元本を確保しながら行うなど「早期に」「投資家に忠実に」を実行しています。任意売却できたってことは、連絡がとれなくなったと言っていた債務者を捕まえることに成功したのかな。代理人弁護士かもしらんけど。

あと思うこととして、素早く回収することをモットーとしつつも、元金の毀損が確定することを遅らせようとしているのかな、という印象を受けます。SBISLは、これまでに行った回収で元金の毀損が確定する内容の回収はまだ行っていません。もしも競売での回収に自信があるのであれば、ホールドして利息損害金まで回収する手もあったでしょうし、債権回収会社に元金相当額で売却しているということは、債権回収会社はそれ以上、すなわち利息損害金まで回収するアテがあったということです。

そこから深読みするならば、残った債権について債権回収会社に売却しなかったということは、債権回収会社から元本相当額のオファーがなかったということで、ということは債権回収会社も元本が毀損する可能性を意識しているということです。つまり、回収の可能性はこれまでの債権と比べて低い、と予想されます。まあ、債権回収なんて後になればなるほどキツくなるわけで、まだ残っている債権に投資している投資家は覚悟を決めておいた方がいいと思います。

今回延滞に至ったファンドは総額32億円近くあったわけですが、そのうち未回収の延滞残高が7億円というのは、死んだ会社から取り立てる割には比較的マシな回収結果で、今後残りの競売や配当なんかもあるわけで、やっぱり不動産担保がナンバーワン!と言わざるを得ない結果であったといえます。

貸し手の情報が分からず、担保の状況も分からず、投資不適格と考えていましたが、中身は真面目に運営していたということですね。金融詐欺の多いソーシャルファイナンス界隈では一筋の光のようです。残りの債権を回収して何とか無事でしたと言えるよう祈っています。現実的にはどうかという話は置いといて


追記
携帯を機種変しました。前の機種はどーもFC2アプリと相性が悪いのかログインできなかったのですが、機種変したらちゃんとログインできました。これからは携帯からも更新できるかもです。
それにしてもなんでFC2は野良アプリなんだろう?

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秋の政治談議

最近、リアルが非常に忙しく社債情報をロクにチェックできていないshasaiwatchです。政治談議でも。

・地震と原発
このまま放置して、北海道がブラックアウトして凍死者が出るリスクの大きさと、大地震で原発事故が起きるリスクの大きさを天秤にかければ答えは出るはず。ただ、そもそも泊が動いていたらブラックアウトしなかったのか?という検証は必要。再稼働に触れると支持率が下がるので、誰もこの問題に触れようとしない。

・自民党総裁選
石破茂が左翼主義者であるかのような言われ方をしているが、首相になりたきゃ安倍に勝つしかないのが今の日本であり、そのチャンスは、選挙で安倍が負けた時か、自民党総裁選の時しかないので、安倍支持か否かに関わらず、挑戦することを評価した方がいい。ただ、本人が変な戦い方をしているのと、安倍憎しの左翼とマスコミが勝手に持ちあげているので、保守からの評判は悪かろう。

・池上彰、燃える
彼の良いところは、有権者が判断する材料を提供し、本人は意見を言わない、少なくともそのように見えることはしないということだった。アメリカでは「分断」が一つの社会問題になっているが、これはメディアにも三分の責任があり、有権者が知りたい内容に自分たちの主義主張を混入させて伝えてきたことに問題がある。
日本でも同じで、朝日から産経まで左右メディアは主義主張を語りたいから事実を探しているような状況で、早晩アメリカのように社会の分断が問題になる。
池上彰はその流れに乗らず、視聴者が自分で判断するために必要な情報を簡潔に流すということに注力してきて、それが彼のよさと讃えられてきたが、今回、「メディアによる汚染」が発覚した。
これが今回限りのことなのか、最近からのことなのか、デビューからずっとのことなのか分からないが、今回の汚染は今後、彼の評価を長く下げるだろう。水俣や福島の海がどれだけきれいに戻っていようとも、風評は残る。

・景気動向
安倍内閣発足後、明らかによくなっているが、これを絶対に認めたがらない人達が多い。インフレ目標の未達を理由にイチャモンをつける人もいるが、インフレ目標を達成することで景気を良くすることが目的であり、インフレ目標を達成することが目的ではないので、意味がない。1人当たりの賃金は徐々にしか上がっていないが、雇用そのものが大きく増加しているので、支払われる賃金の総額が増えている。人手不足も深刻で、最低賃金が上がり雇用が失われている韓国から、日本で就職するために来日する人が年間2万人に達したそうだ。GDPの基準変更がおかしいと言っているが、「GDP 変更」で検索すると、既に2年前には報道されていた内容のようで、逆に言うと今なぜ問題になっているのか分からない。難癖の類なのだろう。

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【特集】スルガ銀行は逝ってしまうのか

昨今、不動産融資で大ポカをやらかし大騒ぎになっているスルガ銀行。不正融資額2兆円とも言われていますが、倒産への夢先案内人となってしまうのか。今回はスルガ銀行を特集したいと思います。

◆問題の概要
スルガ銀行は地銀の中でも異色のビジネスモデルを打ち出しており、不動産投資資金の融資に非常に強いとされていました。これによって高い収益力を計上しており、金融庁からも「これからの地銀のモデル」褒め称えられる等、経営不振が続く地方銀行の中でもかなりいいポジションにいました。

しかしながらその実態は、担当者がスルガ・ウェイを実践してお客様本位の融資資料をナニしており、本来社内審査を通せない案件であっても幹部が恫喝力を発揮して融資残高を増やしていたということでした。融資担当者も期首には「夢に日付を」、期末には「夢をかたちに」ですので、誠にご同情申し上げますが、所詮地銀勤務で転職市場でそう価値があるわけでもないのに、タコが足を食うようなことをしていてはどこかでしっぺ返しが来るのは当然です。

こういう実態が明らかになったことで、スルガ銀行のバランスシートに載っている貸出金は、収益の源泉ではなく、未来の不良債権の苗木なんじゃないの?という疑問が生じたことから、株価は大幅に下落。スルガ銀行は逝ってしまうのかという大騒ぎに発展しています。


◆財務的な影響
スルガ銀行の財務内容を見ていきましょう。
まずは、直近の2018年6月第一四半期ですが、貸出金は3兆1500億円、そのうち不良債権は1400億円です。2017年3月期の時点では350億円でしたので、約1,000億円の増加ですね。なお、これに対し貸倒引当金を2017年3月時点に比べ700億円近く積み増しています。

ちなみに、財務の構成は借方は総資産4.2兆円に対し貸出金と現預金で4兆円を占めており、貸方は預金が3.9兆円、純資産が0.3兆円と預金を集めて貸出を行うというザ・地銀というべき構成。実にシンプルです。


さて、中身に入っていきます。不動産投資資金として貸し出された資金は、約2兆円であると報道されています。しかしながら、その全てが不正融資ではありません。実態としての不正融資額はいくらであるのか見当を付けていきましょう。

日経の報道によると、行員のうち、不正に関与した人員が300人以上いる、とのことです。従業員数1400人の企業で300人以上が不正に関与、とのことですが、銀行で融資に関与するとなると、総合職しかなく、銀行は総合職半分、一般職半分であることが多いので、実際に関与した総合職の割合はその2倍、40-50%程度いるのではないか、と推測されます。

残りの総合職は不正に関与せず、真面目に仕事をしていたってことですね。不真面目な連中はスルガ・ウェイを実践して融資成績を伸ばしていたことでしょうから、不正を働いた行員が40%だったとしても、金額的には不正総額はもう少し増えるのではないでしょうか。

というわけで、当ブログでは勝手に不正審査による融資額が半分の1兆円だったのではないか、と決めつけることにします


問題はここからです。審査で不正が行われていたとしても、実際に焦げ付くとは限らない、という点です。不正に審査が行われていても、実際に投資用不動産が利益を上げれば貸出金は返済されてしまうためです。

しかし、その返済される割合は、不正な審査(要は甘い審査)を行った分だけ、通常の融資に比べ低くならざるを得ず、本来であれば銀行は、その分だけ貸倒引当金を積まなければなりません

今後、第三者委員会の調査により不正審査の全貌が明らかになり、資産査定が見直され、引当金が積み増されることになるのでしょうが、不正審査総額が先ほど勝手に決めつけた1兆円とした場合、スルガ銀行の財務にそれがどのくらいの影響を与えるのか、検討してみたいと思います。


◆不正審査の影響
不正審査が行われていたということは、「本来であれば通らなかった融資が通った」ということです。銀行側から見ると、「正常債権として融資するはずが、実際には不良債権に融資してしまった」ということですので、不正審査による融資は資産査定でいうところの正常先の債権ではないことが予想されます。1兆円の貸出金は不良債権として分類されるわけですが、ちなみにスルガ銀行の不良債権に対する引当率は、平均で23.4%(2018年3月期時点)あります。

ここで多少スルガ銀行に甘いことを言いますと、不正をした銀行員も、そこまで無茶をした訳ではないと思うんですね。さすがに返ってこないことが確実な案件は融資を断ると思うんです。その上で不正をした案件というのは、「きっと無事返済されると自分は信じるけれども、審査基準にちょっと合わない」案件だと思うのです。

ですので、1兆円x23.4%の2,300億円程度よりも引当額は若干低くなるのではないか、ということで、1,500億円~2,000億円程度が計上すべき引当金となり、さらに、既に追加計上された700億円近くは計上済みとなりますので、800億円~1,300億円が今回の事件による今後の損失額となる、と予想します。

ちなみに、スルガ銀行の自己資本比率を計算する書類を確認しています。今回の最大予想損失額1,300億円を自己資本から差し引いて、2018年3月時点での自己資本比率を計算しなおすと、7.8%となりました


◆結論
自己資本比率7.8%という数字は、国際基準(8%)から見るとギリギリアウトな数字ですが、国内基準(4%)から見るとまだまだ余裕のある数字です。スルガ銀行に公的資金が入る可能性はありますが、国内業務が出来なくなる、あるいはペイオフに至る、などの事態には至らないのではないか、と考えます。

ちなみに、スルガ銀行の自己資本が国内基準を割り込まないための余裕は2,300億円程度(あれ?どこかで見た数字だ)であり、当ブログの推定以上に財務への毀損が大きくなると、金融庁は公的資金注入、他行への救済合併依頼といったハードな決断をしなければならなくなるでしょう。おそらくペイオフには至らないのではないかな?という印象です。


◆おまけ
今回の分析を踏まえて株価を評価するならば、現在の株価は割安です。公的資金で希薄化ということも考えられますが、第三者委員会の報告を受けて損失額が当ブログの推測程度に収まるのであれば、買いにいっても良いのではないかと思います。

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オリックス銀行がプレサンスコーポレーションの金銭信託募集開始

オリックス銀行がプレサンスコーポレーションの金銭信託の募集を行っていることが分かりました。
ソースはオリックス銀行

発行要項
償還期限:1年
金利条件:0.65%
発行総額:未定
社債額面:100万円
募集期間:平成30年9月18日~平成30年10月19日
格付け:なし

オリックスの金銭信託で、プレサンスコーポレーションの取り扱いが始まるようです。早速財務内容を見ていくこととしましょう。

当社は、総資産2,400億円、純資産900億円(H30/6第一四半期)のマンションデベロッパーです。借入金は1300億円弱です。マンションデベロッパーですので、1年程度での売上や利益はあまりアテになりません。というのも、マンションの施工には大変長い時間を要するので、販売できた時には売上が大きく伸び、利益もガツンと出る一方、仕込みの時期には売上0の月があるのも珍しくない、そういう業種だからです。まあ、ここまで大きいとそんな影響も少なくなっていくのでしょうが、過去数期のトレンドを見て、「純資産が積み上げられているか」が結構大事です。その観点からはプレサンスは合格ですね。

事業の中心は関西と中京で、東京はほとんど手を出していません。昨今東京の不動産がバブル化しているという話も聞くので、賢明な判断と言えるでしょう。投資勧誘がウザいとか、壁が薄いとかいう話もありますが、正直ここは価格帯の高い良質なマンションを販売している会社ではありません。いいマンション買えよ貧乏人と言っておきましょうw

さて、問題はリスクですが、この会社の問題点として、結構営業がしつこいという問題があるようです。消費者庁あたりから何かが飛んでくれば、業績ダダ下がりの可能性があります。財務的には、純資産も積み上げていますが、借入依存体質で手元現金が少なく、銀行に何かがあればこちらは即死するリスクがあります。また、不動産を結構なハイペースで仕込んでおり在庫水準が高いため、経済情勢が一変した場合、逝ってしまうリスクは十分に考えられます。

ただ、これらの事態が1年以内に起きると仮定して、1年間持たない、という事態があるのか?と考えると、相当リスクは低かろう、とshasaiwatchは考えます。リーマンショック級であれば死を意識せざるを得ませんが、経済が減速に転じることはあっても、急速に金融が目詰まりを起こすような事態は今のところ考えにくいため、今回は大丈夫だと思います。

投資判断は買い推奨とします。争奪戦になるんでしょうかね。shasaiwatchも参戦予定です。

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商船三井、グリーンボンドを9月に発行!

商船三井が個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースは商船三井

発行要項は、発行額50億円、5年債ということのみ記載されています。利率や格付けといった条件はまだ分かりません。

久々のテーマ債ということで、中身を確認してみましたが、要は環境対策の設備を入れるから金貸してくれって話ですね。事業会社による個人向けグリーンボンドの発行というのは初の事例ということなので、是非とも恒例化していただけると嬉しいです。

中身は・・・とりあえず詳細の条件見てからですかね。


【告知】近日公開!「スルガ銀行は逝ってしまうのか」鋭意記事作成中!

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甲子園に不満のため更新延期

桐蔭つまんねーわ。吉田君阪神に来てくれ!

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ゴールドマンサックスが個人向け社債発行!

ゴールドマン・サックスが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

2本建てで、発行体が異なる社債が発行されます。

発行要項
発行体:ゴールドマン・サックス・インターナショナル
償還期限:10年
金利条件:0.25%~0.35%
発行総額:10億円
社債額面:500万円
募集期間:平成30年7月31日~平成30年8月13日
格付け:A
その他:1年ごとに金利が0.05%ずつステップアップ。任意早期償還条項付き

発行体:ゴールドマン・サックス・グループ・インク
償還期限:10年
金利条件:0.60%
発行総額:30.35億円
社債額面:300万円以上100万円単位
募集期間:平成30年7月26日~平成30年8月16日
格付け:BBB+
その他:任意早期償還条項付き

前者の社債は新生証券、後者の社債はちばぎん証券から発売されます。

同じゴールドマン・サックスのグループ内の企業が発行体となっており、実質的なリスクは同じであると考えていますが、ちばぎん証券から発行される方が有利な条件ですね。通常であれば後者を買うと思います。問題はちばぎん証券でしか発売されないことですが・・・

投資判断は中立とします。米国の利上げが続いている中で日本と欧州が金融緩和政策を変更する可能性が10年のスパンで見れば存在し、その解消はゆっくりとしたものであったとしても、金利が上がり始めた場合、この社債は不利な社債になる可能性があります。一方で、金融危機の芽(例えばアジア通貨の急落など)も見えているものの、金融危機時の処理・再生手法は前回危機時に確立されており、安全性はそれなりに高いものと推測されます。

shasaiwatchは買いませんが、GS債を持っておらずカネ余りが続いているなどの事情がある方は分散の意味もこめてどうぞ。

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