個人向け社債ウォッチ!

個人向け社債の起債情報をウォッチするブログ。個人向け社債の購入方法に関する記事や個人向け社債のランキング、個人向け社債の利率などの記事。初心者歓迎。3年物の個人向け国債の金利推移もウォッチ

記事にするまでもない随想

東電の賠償、免責か否か。法律上は「支払い能力の限り」。だったら倒産させ、事業売却で支払い能力を作ればいい。足りなければ国民負担だ。全額免責か、奉加帳方式かという不毛な議論はやめよう。

脱原発をどうするか。反原発派は電気が来なくてもいいと言う発言をやめよう。お前はよくてもみんなが困る。推進派は電気が来なくてもいいのかという発言をやめよう。脅しにはなるが、説得力もない。長い道のりを一歩ずつ歩いて行くしかない。現実を見て、次の一歩の話をしよう。

日本共産党のポスターに「消費税10%台なんてとんでもない」との文字。長い時間をかけて少しずつ発言を変化させていっている。官僚的なごまかしは本当にうまい。別に左翼に限った話ではない。日本中どこにでもある話。そして衰退する共産党、衰退する日本。現実を見よう。

JAL、東電。どちらも現実を見ず、やるべきをやらなかった組織。積年の問題から目を逸らしていると必ずこういう目に遭うという戒め。次はどこだろう。ぱっと思いつくのは日中韓朝4か国の政府だが、国内の組織では創価学会や読売新聞あたりは相当危なかろう。カダフィもムバラクもこれで倒れた類。辛くとも慢性疾患に立ち向かおう。

統一地方選で民主党が惨敗。最近老害ぶりが目立つ石原都知事は再選。若年層の得票では東国原が優勢だったが、高齢者の票を集める。大阪では橋下府知事の大阪維新が躍進。既成政党不信をうまく吸収。名古屋の減税日本は小沢の犬ということがばれて惨敗。関西は150年ぶりに日本の主導権を奪い返す好機。今年は関西に期待。

ゴールデンウィークは大量消費をしよう。靴に衣服に眼鏡に帽子、焼肉焼き鳥焼き魚。花も緑も見頃は今だ。日本酒焼酎ウイスキー。お金を貯めるのはいざという時のため。その時は今だと思う。

かといいつつも、三菱UFJが上半期に劣後債を出すのではという観測もあるし、大和ネクストも気になるし。そんな中、ミュージックセキュリティーズが被災地応援ファンドの募集を開始しているのを発見。しかしこのファンド、出資金と同額をその会社に応援金として寄付しなければならないため、償還額が元本の2倍以上にならないと利益が出ないという仕組み。普通じゃ買い非推奨せざるを得ない・・・

こういう利益が見込めないファンドって、「名誉が残ること」が価値になると思うんですよ。例えば、工場の建設時に出資者の名前が刻まれた金属製のプレートをどこかに掲示して永遠に名前を残すとかね。出資者特典で当社製のドレッシングがもらえるというのもいいけれども、名誉の観点から特典を考えるのも重要だと思います。こういうファンドは嫌いじゃないので一度検討して欲しい次第です。

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大和証券グループ本社が個人向け社債発行!

大和証券グループ本社が個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:3年
金利条件:0.50%~1.40%(平成23年5月6日条件決定)
発行総額:300億円
社債額面:100万円
募集期間:平成23年5月9日~平成23年5月23日
格付け:A

大和ネクスト銀行の開業直前に募集開始とは、売る気がないとしか思えません。ネット銀行など知る由もない年寄り向けと言いたいのでしょうか。しかしながら、その割には期間と金利はまあまあの水準です。でも、大和ネクスト銀行の定期預金が3年1.00%以上で決まったらわざわざ買う必要はないですね。預金の方は預金保険機構に守られてるし。いや、逆に言うと、大和ネクスト銀行のキャンペーン金利はこの水準以下にするという意味かも・・・

悩みどころです。投資判断は保留とします。それぞれの金利が決まってからですね。

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【2本建て】RBSが個人向け社債発行!

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・ピーエルシーが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

【4年債】
発行要項
償還期限:4年
金利条件:1.60%
発行総額:30億円
社債額面:10万円
募集期間:平成23年4月21日~平成23年5月11日
格付け:A+
その他:SBI証券で販売

【5年債】
発行要項
償還期限:5.5年
金利条件:2.10%
発行総額:15億円
社債額面:10万円
募集期間:平成23年4月19日~平成23年4月27日
格付け:A+
その他:マネックス証券で販売

リアルが忙しかったり、HTC EVO WiMAX ISW11HTを購入して興奮状態だったりで社債に手が回らなかったこの週明けでした。ようやくスマートフォンを手に入れたわけですが、とにかくこれまでのケータイとは全く違う操作感に驚きです。どうやって使うかはまだ考え中ですが、YOUTUBEやニコニコ動画が携帯で見れるメリットを最大限に活かしテザリング機能がついているので仕事用にネットブックと一緒に持ち歩くことを検討中です。

で、社債の話ですが、RBSは震災後既に2回目の起債です。ANAが社債発行中止に追い込まれた中、起債額が少なかったこともあって全く無風状態で消化し、今回も期間は長くなりましたが、金利はさらに上げての起債です。もっとも、日本が大震災で欧州はギリシャの債務再編問題、最後のTOMODACHIであるアメリカでさえも格付けをネガティブに変更されてしまい、中国はインフレとバブル、中東は政変と世界中にいいニュースがない昨今なので、多少スプレッドを乗せるのは当然だと思います。

企業の内容はというと、前回からまだ時間が経ってないということや、起債額が少額であることなどから前回と判断を変える必要はないのではと思います。

投資判断は買い推奨です。4年債、5.5年債とも十分なスプレッドが乗っており、投資対象としては適当なものと思われます。まず5.5年債が売り切れて、買えなかった人が4年債に行くような感じでしょうか。

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大和証券グループが新銀行設立!社名は「大和ネクスト銀行」!

大和証券グループが新銀行を設立するという情報が以前からありましたが、銀行名が判明しました。

銀行名は「大和ネクスト銀行」です。

大和ネクスト銀行のウェブサイトも既に出来ています。まだ中身は作成中のようですが、今年の5月に開業だそうです。

さて、このブログの読者ならもうお分かりだと思いますが、新銀行が開業すると、高金利定期預金キャンペーンが必ずあります。銀行はまずは預金を集めないと仕事になりませんからね。しばらく社債投資は控えて開業に向けて資金を確保しておく段階かもしれません。

注目です。

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イオン銀行が日本振興銀行の最有力スポンサーに浮上

民事再生中の日本振興銀行のスポンサーに、イオン銀行が浮上していることが複数の報道で確認されました。

イオン銀行はこれまで有力な収益獲得手段を持っておらず、投信を売ってみたり住宅ローンを売ってみたりしていましたが依然黒字転換を果たせず、9000億円の預金を持て余していました。今後は日本振興銀行の経営基盤を引き継ぎ、中小企業向け融資にも参入するということなのでしょう。

問題は、日本振興銀行は中小企業の中でもかなりのゴミ企業が主力の取引先で、イオン銀行がこうした連中に対応しきれるのかということです。また、こうした層を顧客基盤としたとしても、今後どういう取引をしていくのでしょうか?カードローンあたりを中心にするのか、はたまた真正面から融資取引をしていくのか。今後に注目です。

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オリックスの個人向け社債金利決定1.11%

オリックスが発行する個人向け社債の利率が決定しました。1.11%です。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:4年
金利条件:1.11%
発行総額:300億円
社債額面:100万円
募集期間:平成23年4月15日~平成23年4月27日
格付け:A

安い・・・金利が安値圏で決まり続けています。発行総額を未定にして受注見通しが固い分だけ発行し、金利を引き下げるというやり口です。買うと決めている人は安くてもいいんでしょうが、金利を見てから決めようと思っている人から見れば正直嫌な傾向です。

投資判断は中立ですが、shasaiwatchは買いません。限りなく非推奨に近い中立です。楽天証券SBI証券でネット販売されますが、既に完売しているようです。ネット証券の社債販売は、販売開始から完売までが異様に早いため、まだ口座のない人は次回に備えて開設しておき、既に開設している人はあらかじめ購入資金を入れておき、開始と同時に購入手続きを取ることをお勧めします。

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【不人気】ソシエテ・ジェネラルが富裕層向け社債発行!

ソシエテ・ジェネラルが富裕層向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:5年
金利条件:0.50%~1.50%
発行総額:6億円
社債額面:1000万円以上100万円単位
募集期間:平成23年4月21日~平成23年4月25日
格付け:A+
その他:0.1%ずつ金利がステップアップ

富裕層向けとして50億円の発行予定だった本債券ですが、不人気だったのか6億円に発行額が減額となりました。三菱UFJメリルリンチPB証券が販売します。フランスの大手投資銀行ですが、日本では無名ということや、金利もイマイチということで残念ながら日本で買える人は数十人ということになりそうです。

投資判断はしません。正直、ここまで発行額が少ないと判断のしようがないです。

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イオンクレジットサービスが個人向け社債発行!

イオンクレジットサービスが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:4年
金利条件:1.02%
発行総額:200億円
社債額面:100万円
募集期間:平成23年4月18日~平成23年4月25日
格付け:A

誘っているのか・・・?

shasaiwatchがイオン銀行に預金している定期預金の満期日に合わせて起債するかのような社債です。かつてイオン銀行の定期預金は金利乞食である我々の間を席巻しましたが、今やただのネット銀行です。金利に魅力もなければ依然黒字にもなっていない、あまり業績のよろしくない銀行です。しかしそれでも総資産は対前年比大幅増で1兆円に迫る勢い、預金額も9000億円突破です。イオン系列の店でいつでもどこでも手数料無料で使えるというのは強みですね。

で、イオンクレジットサービスの話でした。業績が安定している企業で、デフォルトをさほど考慮する必要はないと思います。過払い金がさほどなく、業績を悪化させる要因が少ないのも魅力です。いざいざ、イオンとの関係という強みがありますので、どこかが買い取ってくれるでしょう。

しかし、それだけに金利条件も若干渋い。中立でもいいかなと思ったのですが、資金使途の欄に「今回調達した資金のうち8,000万円を東日本大震災の被災者支援のため寄付する」という旨のことが書かれていました。金に色はないので営業キャッシュフローから金を出そうと財務キャッシュフローから金を出そうと同じなわけですが、借金して募金すると宣言したのはshasaiwatchの知る限り、ここと東大寺だけです。実質はともかく、そういう宣言をする心意気を評価して投資判断を買い推奨とします。大和証券とみずほ証券で取り扱っています。

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野村ホールディングスの個人向け社債金利決定0.88%

野村ホールディングスが発行する個人向け社債の利率が決まりました。0.88%です。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:4年
金利条件:0.88%
発行総額:454億円
社債額面:100万円
募集期間:平成23年4月12日~平成23年4月21日
格付け:A+

長期金利の上昇傾向を受けて起債が相次いでいます。今回の金利上昇は「悪い金利上昇」と認識されているだけに、社債発行は相次ぎそうですが、慎重に見極める必要があるでしょう。

そんな状況を反映してか野村債、微妙な発行総額です。きっと何が何でも売り切るため、ギリギリの額で起債したのでしょう。たぶん完売しますね。ノルマ証券をなめてはいけない。

しかし、投資する価値のある社債かと言われると、はっきり言って金利がかなりの安値圏で決まったこともあり、旨みが全くありません。投資判断は買い非推奨に変更します。東電株でデイトレした方が、鉄火場的な楽しさがあっていいと思います。

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スペイン開発金融公庫の個人向け社債金利決定1.11%

スペイン開発金融公庫が発行する個人向け社債の利率が決まりました。1.11%です。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:4年
金利条件:1.11%
発行総額:135億円
社債額面:100万円
募集期間:平成23年4月13日~平成23年4月26日
格付け:AA
その他:スペイン王国の保証付き

減額になりました。やはり不人気だったのでしょう。その代わり金利は安値圏で決まりました。いよいよもって投資する価値は薄いと言えます。いい点といえば、日興がネット販売を行うといったところぐらいでしょうか。前回の記事と同じく投資判断は中立とします。

最近、ネット販売する社債が増えてきてうれしい限りです。オリックス債は楽天証券もネット販売するらしく、しかも100万円買い付けするごとに1000ポイントのプレゼントだそうです。もっとこうした流れが広まれば、個人向け社債市場が活性化するのにと思います。

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統一地方選前半、果たして自民は「勝利」したのか?

統一地方選の開票速報を見ています。民主党の退潮は明らかですが、今回の結果をもって自民党が勝ったともいいがたい結果です。今回は特に県議選で無所属の議員が躍進しており、この中には相当数の「元民主」「元自民」が含まれているものと見られます。特に元民主は多いでしょう。

県議選では改選前と比べ、民主党は38議席、自民党は74議席を減らしており、前回の選挙と比べて定員数が増えているにも関わらずいずれも議席数を減らしているという状況です。一方、増えたのは諸派とみんなの党です。大阪維新の会や減税日本の獲得議席数が諸派を押し上げています。社民と共産は従来通りの退潮傾向に歯止めをかけられず。社民党はそろそろ「諸派」入りが見えてきました。

政令指定都市の市議選は、民主と共産が減った分をみんなの党が吸収する格好で、その他は大きな変動はありません。

こうしたことを考えると、民主党が支持されていないのは明らかですが、さりとて自民党にも変化の兆しが見えず、行き処を失った票が元気のいい地域政党やみんなの党に流れたという当たり前の構図が見えます。自民党や自民厨は今回の選挙で調子に乗らず、自らの改革に取り組むべきでしょう。

少し気になるのは公明党です。県議選、政令市議選とも1名が落選しています。創価の教えでは1人でも落選したら敗北のはず。果たしてどういう始末になるのか、楽しみです。

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オリックスが個人向け社債発行!

オリックスが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:4年
金利条件:0.60%~1.60%(平成23年4月14日条件決定)
発行総額:未定
社債額面:100万円
募集期間:平成23年4月15日~平成23年4月27日
格付け:A

最近4年債多くない?いいや、どの企業もこの期間が妥当と見ているのでしょう。

オリックス債です。前回の起債が5年で1.04%でしたので、今回はそれより若干条件がよくなりそうです。ネット証券ではSBIも販売する予定。もはや何が大丈夫で何が大丈夫じゃないかなんて分からない時代になってしまいましたが、とりあえずみずほを除く全国展開の金融機関はそれほど被害が大きくないようです。オリックスもリースしている資産が流されたとか、そういうこともあるのでしょうが、とりあえず一気に破綻するとかそういう事態ではなさそうです。

投資判断は中立です。最近中立多くない?いいや、どの社債もこの評価が妥当と見ています。

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今月の個人向け3年国債の利率

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今月の個人向け3年国債の金利は0.260%となりました。先月に比べ0.06%の下落です。

ここのところ一本調子で金利が上がってきた個人向け国債ですが、地震の影響でしょうか、はたまた日銀が死ぬほど資金供給をしたからでしょうか、今月は金利が下がりました。一方で野村のMMFは利回り上昇。短期金融の混乱に乗じて一儲けしたのかな?

昨年、頑張ってCBの話題を取り上げてみましたが、正直しんどい。株式や為替が絡むとshasaiwatchは弱いんです。特にキャピタルゲイン狙いで株をやると背筋が凍るほどの曲がり屋っぷりを見せつけるんで、ますますCBはしんどいです。というわけで、今後はCBは適宜取り上げる程度にさせてください。コメント欄で盛り上がれば記事にする程度で。

読売新聞によると、福島原発の汚染水浄化に仙台産の天然ゼオライトと活性炭が効くとか。って、こんなこと書いてたら宮城でまた震度6強・・・。正直日本はどうなってしまうのでしょうか。

関西電力株が10年来の安値圏に落ちています。正直かなり買いたいのですが、円安傾向だし、ユーロ利上げも決まったし、またきつい地震があったしもうしばらく待つことにします。

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【PIIGS】スペイン開発金融公庫が個人向け社債発行!

スペイン開発金融公庫が個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはSMBC日興証券

発行要項
償還期限:4年
金利条件:0.90%~1.40%(平成23年4月12日条件決定)
発行総額:200億円
社債額面:100万円
募集期間:平成23年4月13日~平成23年4月26日
格付け:AA
その他:スペイン王国の保証付き

スペイン開発金融公庫は、スペインが全額出資する政府系金融機関です。DBJみたいなものかと思っていたら、貸出のほとんどは中小企業向けだとか。JFCや商工中金に近い印象です。財務内容は、まあ政府系金融機関ということで一応健全と言えるでしょう。問題点は、信用力の源泉がスペイン政府だということでwww

そのスペインですが、CDSは現在、210~220bpのようです。日本で言えばANA、クレディセゾン、大成建設と同じぐらい。ただ、日本企業のCDSは震災後上昇傾向にある一方、スペインのそれは下がる傾向にあります。いずれにしても、全財産を突っ込むほどのものではなさそうです。

期間もやや長めですし、投資判断は中立とします。金利が高めに決まれば買ってもいいかも。日興でネット販売もやるようです。

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東電の国有化は是か非か

東日本大震災でチェルノブイリ級とも言われる大災害を起こした東京電力ですが、早くも国有化、公的資金投入等の話が出てきています。正直、ここまでの事故を起こしたので法的整理はやむを得ないと思うのですが、電力供給が重要だからといって安易に公的資金を突っ込もうという流れに違和感を感じるのはshasaiwatchだけでしょうか。そもそも国有化で問題が解決するのでしょうか。shasaiwatchは単純に国有化するやり方は問題を解決しないと考えます

今回、東電が抱えている課題は「大惨事の回避」「放射能汚染の除去と賠償」「電力の安定供給」に集約できます。このうち、とりあえず大惨事は回避できたようなので、残り2つの課題に対処していけばいいわけです。いずれにしても金がかかる話で、倒産を回避できるか否かは、この資金をどうやってかき集めるかにかかっています。

しかし、そもそも東電はいくらかき集めれば倒産を回避できるのでしょう?ちょっと試算してみましょう。「東電の」損害を試算してみます。東電の損害は大きく分けて、「B/S上の被害」「特別損益」「今後の収益減」があります。これらを積み上げれば東電がかき集めるべき資金が分かります。ちなみに金額は大雑把で適当な見積もりです。

最初のB/S上の被害についてですが、とりあえず東電の直近の有価証券報告書を見てみます。原発関連では、原子力発電設備が8,500億円、核燃料が9,200億円あります。この中でいくら損失になるかというところですが、正直なところ、現在の日本はどれだけ頑張っても当面の間、原発に依存せざるを得ません。そのためこれらの資産が全くパーになることは考えられませんが、福島原発に使っていたものはパーにせざるを得ないでしょうし、今後の原発行政の転換によっては除却・減損が発生することは避けられません。実際いくらの損失になるかは予測不能ですが、このうちの30%、5,300億円程度は損失になってしまうものと適当に計算します。これがB/S上の損失です。

次に特別損失についてですが、特別損益には「福島第一原発の処理費用」「廃炉費用」「周辺地域への賠償金」「国からの補助金」「事故に伴う保険金収入」「各種引当金の戻入」などが挙げられます。

原発の処理費用と廃炉費用についてですが、これも合理的な見積もりを提示することは困難ですが、一応どっかのテレビ番組で「石棺は原子炉1基につき2,000億円」という報道がありました。これよりは少なくなるのではないでしょうか。とりあえず、4号機まで廃炉ということで8,000億円以内とします。

周辺地域への賠償金ですが、これもまた見積もりが困難な課題ですが、東海村臨界事故の際、3日間、半径350mが避難して150億円の賠償額だったそうです。しかし、今回は半径30km、面積にして7,350倍、期間は最低でも数ヶ月という有様です。軽く電卓を叩くと日本のGDPを超える賠償額が出てきたので、それはないとしても、福島県のGDP7.8兆円の3分の1ぐらいはもっていかれるのではないでしょうか。2兆6,000億円と推測します。

一方収入である国からの補助金は2,400億円(確定)、各種引当金の戻入といっても、資産除去債務と災害損失引当金が8,400億円あるのみ。これも全部取り崩すことは出来ないはずです。半分の4,200億円が関の山。残るは保険金ですが、1,000億円も得られないのではないかと・・・

とりあえず、ここまでで3兆1,700億円の損失です。東電の平成22年12月時点の純資産が2兆9,800億円ですので、この時点で債務超過転落決定です。

最後の「今後の収益減」ですが、計画停電が続くだけでも大幅な減収になりますし、ましてや安い原発を使わず、火力発電に依存したり、自然エネルギーを多用したりすると間違いなく収益力は減退します。東電の収益力は年間2,000億円程度の収益力ですが、あくまで原発依存のもの。おそらく当面は収益ゼロが続くのではないでしょうか。下手すれば赤字体質の会社になってしまいます。

昨年、東電の増資を引き受け、今までホールドしていた皆さんご愁傷様です。東京電力株は今や、収益性もなく、債務超過なので資産性もない無価値な株だという結論がshasaiwatchの大雑把な推定で結論付けられました。今さら言うまでもないですが、売り推奨です。

では一方、資金繰りはどうでしょうか。先ほどの損失額のうち、資金流出と流入の差は3兆0,600億円です。このうち東電は2兆円を既に資金調達しているほか、平成22年12月時点で約1兆円の換金可能な資産を持っています。資金流出が一気に起こるわけではないことを考えると、資金繰り上は当面の間は何とかなるでしょう。もっとも、東電は社債の償還や借入金の返済で当面1年以内にあと1兆5,000億円程度を別途調達する必要があります。

こうしたことを考えると、賠償がきっちりなされるまでに東電の資金繰りが破綻する可能性もあります。電力会社が経営破綻したとなれば、誰が東京に電力を供給するのでしょう?首都圏が真っ暗になるかもしれません。

しかし、shasaiwatchは東電に公的資金を入れることは、決していいことはではないし、せざるを得ない状態になったとしても限定的にするべきだと思います。その理由は、今回の事故の原因は東電の企業体質にあると考えるためです。

東京電力は国から認められた独占企業であり、規制を受け入れる代わりに地域独占を認められてきました。その結果、お役所体質、隠蔽体質、事なかれ主義が企業体質となり、まずいこと、問題のあること、面倒なことから目を逸らし、自分のいる間だけ問題が顕在化しなければいい、臭いものには蓋をする考え方が社内に蔓延している企業です。こうした根性を叩きなおさなければやがてまた同じことをやらかすのは目に見えているわけで、そのためには優秀な経営者を入れ、人づくりからやり直す必要があります。それを日本政府が出来るのでしょうか?郵便局は無残な失敗に終わりましたし、JALはまだ結果が出たというには時期尚早です。

原子力発電自体を公的管理に置くべきとする考え方もあります。私益を追求する企業に危ないものを管理させるなという意見です。事の重大性を考えればその意見にも全くの正当性がないわけではないですが、利益至上主義が福島第一を起こしたとはshasaiwatchは考えません。利益至上主義は競争の激しい世界で発生するものであり、東電はその対極にある業界でした。今回の事故を起こしたのはむしろ東電の閉鎖的な気質です。むしろ、競争的な環境にある方が原発事故は起きないでしょう。特に今回の事故で、原発事故を起こすとチッソ状態になるということが明らかになった今は。

(チッソは、水俣病の補償とその後の信用低下により、内部留保と資本金を上回る累積損失を計上し、現在も大幅債務超過の状態にあります。水俣病の補償問題が一応の終結をみたのは、1953年~56年とされる発生から50年以上経過した2011年3月28日、つまり5日前です。)

じゃあどうすればええねんという話になりますが、さっさと会社更生してしまうべきでしょう。会社更生となれば、株主も、担保付社債の社債権者も全く保護する必要がなくなり、経営陣は強制総退陣と東電を変えるためには最高の土壌が整います。それと合わせて「福島の事故に伴う損害賠償請求権は他の債権者に優先する」という法律を1本国会が通し、損害賠償を保全します。

その上で、損害賠償をする旧東電と、電力供給を行う新東電に会社分割し、新東電を同業他社・ファンド等に売却します。つまり、例えば関西電力がPEファンドやハゲタカファンドと組んで新東電を買収し、電力供給を継続。売却代金をもって損害賠償を行い、不足が出ればその段になってようやく公的資金を注入するべきでしょう。また、場合によっては同業他社やファンドの資金調達に公的資金を注入してもいいでしょう。

東電が会社を切り売りした代金で損害賠償が出来れば、社債権者へ配当してやればいいでしょうが、果たして余るかどうかは不透明です。株主も債権者も、被災者とともに泣くべきです。少なくとも株主・債権者・取引銀行はこのような事故を起こさないよう、経営を監視する義務があったはずです

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