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西日本シティ銀行が個人向け社債発行!

西日本シティ銀行が個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:10年(5年で期限前償還の可能性あり)
金利条件:0.45%~0.95%
発行総額:未定
社債額面:100万円
募集期間:平成25年12月6日~平成25年12月26日
格付け:A-
その他:劣後特約付き

久しぶりに劣後債が出てきたぞー!

西日本シティ銀行の劣後債が出てきました。今回の社債は10年債ですが、実質的に5年で期限前償還になる可能性が高い社債です。

劣後債とは、劣後特約がついた社債のことで、劣後特約とはもしも企業が倒産した場合、返済が劣後(後回し)になる特約のことです。普通の社債は倒産してもほんの一部は返ってくる可能性がありますが、劣後債の場合は事実上、ないです。潰れたら紙屑。

そんなリスクのある社債だからこそ、金利が高いわけですね。で、なぜこういう社債を発行するかというと、自己資本比率のためです。銀行は経営の健全性を保つため、自己資本比率を一定以上に保つ必要があるわけですが、そのためには融資を絞るか、増資などの資本政策を実施するかしかありません。しかし、そのどちらも大変なことなので、劣後債を使うのです。劣後債は社債の一種なので簡単に発行できる一方、自己資本比率の計算上は自己資本の一部とみなされます。つまり、負債を増やしているのに、規制上は資本を増やしていることになるのです。

もちろん、既に書いたように投資家にとってリスクのある社債なので、金利は高くなります。通常の社債よりも見極めが必要な社債と言えるでしょう。

日本では、銀行が倒産する確率というのは非常に低いので、本来ならば劣後債はおいしい社債であることが多いです。しかし、5年で0.7%程度の金利でTier2を調達しようというのは、少し虫が良すぎませんか。確かに、今は低金利であり、当面金利が上がりそうな雰囲気はありません。しかしながら、景気は建設業や自動車産業を中心に明らかな回復傾向にあり、政策金利が上がる見込みこそないものの、市中金利は今後上昇する可能性があります。そうなれば無事償還はされたとしても含み損のまま債券をホールドしなければならず、正直気持ちのいいものではありません。この低金利ではその可能性が十分にあります。

こうしたことから今回、投資判断は買い非推奨とします。なお、販売は東海東京と西日本シティTT証券という珍しい組み合わせです。

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JICAが個人向け社債発行!

国際協力機構が個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはJICA

発行要項
償還期限:5年
金利条件:0.10%~0.40%
発行総額:100億円
社債額面:100万円
募集期間:平成25年12月9日~平成25年12月10日
格付け:AA-
その他:一般担保付

これまた金利の低い債券が出て来ましたが、広島ガスに比べればよほどマシです。

JICAはODA実施機関であり、最近は東南アジアからインドにかけての援助が多いようです。また直近ではフィリピンの台風に関する緊急援助が行われています。広島ガスに比べればよほどマシというのは、JICAは独立行政法人で資産総額11兆円、純資産も8.8兆円あります。総資産900億円の広島ガスなど吹けば飛びます。

注意すべき点としては、資産のほとんどが円借款であること、現状、国から運営費を交付されて黒字を確保しており、国に頼らない運営が出来ていないことなどが挙げられます。

しかし、それでもなおこのJICA債には国債並みの信用力があります。悪名高き一般担保もついていていざ倒産時にも優先的に弁済を受けられますし、格付けもAA格です。比較対象は個人向け国債(5年固定)とするべきでしょう。直近の5年固定国債は0.24%でしたので、まあまあ並み程度。投資判断は中立とします。冬の個人向け国債キャンペーンと比較して条件がよければ購入してもよいのではないでしょうか。

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広島ガスが個人向け社債発行!

広島ガスが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:5年
金利条件:0.10%~0.50%
発行総額:50億円
社債額面:100万円
募集期間:平成25年12月4日~平成25年12月19日
格付け:A

東電の記事を書いていたら次々と社債が発行され、忙しくもあり嬉しくもあり。今回は広島ガスの社債です。ガス会社とはいえ、シングルA格で5年0.3%程度で調達するということに驚きです。資金使途は固定負債の借り換えだと思いますが、この程度の規模の企業がこの金利で資金調達するなんて、日本の金利情勢はどうなっているのでしょう。

投資判断は買い非推奨とします。他にいい社債も出ているわけですし、わざわざ購入する必要性を感じません。

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【総力特集】東京電力は逝ってしまうのか 第3回

第1回はこちら
第2回はこちら

前回、過去に社会問題を引き起こし、多額の賠償債務を抱えるようになった企業の事例を研究しました。今回は、こうした事例を踏まえ、東京電力の財務的処理方法を探ってみたいと思います。なお、今回の特集では原発の是非などの別の話題にはなるべく踏み込まないこととします。原発の是非と事故処理とは直接の関係はないですしね。

さて、現在の東京電力には以下のような責務があります。

1.電力供給の継続
2.賠償金の支払い
3.廃炉と除染の実施

しかしながら、廃炉は現状、ようやく4号機の燃料取り出しが始まった段階であり、完了までに数十年、あるいは百年以上が必要と言われています。除染についてはそもそも基準すら決まらない状態であり、賠償金は政府支援がなければ即座に不能になる状態。出来ているのは電力供給ぐらいですが、こちらも老朽火力を使って凌いでいる状態であり、原発の再稼動か、火力の増設は不可欠です。東京電力の経営状態はボロボロであり、差別事件が起きていることや給料が下がっていることなどから従業員はわれ先にと逃げ出している状態。立ち直るにはかなりの努力が必要です。


とりあえず、東京電力の実質的な債務を試算してみたいと思います。まずは廃炉費用です。
廃炉費用は、一般的な原発で1基1000億円程度とされていますが、事故を起こした福島第一原発については総額で1兆円程度の費用がかかるといわれています。また、福島第二原発も廃炉が決まったため、同原発にある4基の費用、合計4000億円も必要です。余裕を見て、1兆5000億円程度と見込んでおきましょうか。

次に、除染費用です。除染費用は基準をどこにするかで大きく金額が変わってきます。1ミリシーベルトまでの除染を実施すると、5兆円という試算結果がありますが、一方で5ミリだと3兆円、20ミリだと2兆円だという試算結果もあります(たぶんソースは産総研)。政府内で検討されているという「現実路線」が何を指すのか分かりませんが、こういう時はだいたい間を取ることが多いので、5ミリだとここでは仮定して、3兆円かかるとしておきましょう。

次に賠償金です。賠償金の支払額は全く分かりませんが、既に5兆円程度を支払っている様子で、今後も徐々に減ってはくるのでしょうが、やはりもう5兆円程度は覚悟しておかなければならないと思います。

また、原賠機構への返済も必要です。現時点で4兆円少しあるため、これも加算する必要があるでしょう。また、国民負担を0とするためには機構の優先出資1兆円も返済させる必要があります。債務じゃないけど、返済が必要ということでこれも債務に加えときましょう。

こうして考えると、現時点で原発関連債務としてだいたい14.5兆円の債務があるということです。また、それとは別に社債4兆円、借入4兆円、仕入れ代金等の非金融債務1.5兆円があるため、東京電力には合計、24兆円の債務があると言えるでしょう。JAL10個分。リーマン・ブラザーズの4割弱wwwwww。平成25年9月中間決算時点では、東京電力のフリー・キャッシュフローは半年間で750億円でした。2007年~2011年の5年間で見ても、東京電力の平均年間フリー・キャッシュフローは1500億円でしたので、東電の業績はほぼ、震災前の業績に戻ったと言えるでしょう。しかしながら、この業績だと負債がゼロになるのは160年後、2173年になります。ドラえもん誕生から61年後のことです。


どげんかせんといかん(死語)


こうした事態の時、一番手っ取り早いのは法的整理(武富士方式)です。
会社更生法の場合、全債務を払える範囲にカット。例えば10年払いの1兆5000億円ぐらいに設定するという方法が取られますが、これっぽっちの金額では優先権のある一般担保付債権者すら債権カットを要求され、被災者・銀行・株主・政府・取引先・従業員は総泣き寝入りとなるため、更生計画は不成立となるでしょう。
そうなれば次は破産で、財産を叩き売って換金し、配当に充てます。この場合、会社更生よりもさらに配分できる金額が減るのが通例で、いずれにせよ被災者には1円も渡りません。法的整理の価値は、東電憎しの連中が絶頂射精出来ること以外の意味がないでしょう
なお、破産の時にオウム真理教方式で債権の優先順位を変更することは特別法で出来なくはないのでしょうが、それでもなお、被災者は大幅な債権カットを強いられる上、一般担保付社債の債権者が1人でも違憲立法訴訟を起こすと財産権侵害で国が敗訴する可能性があります。主要な債権者である保険会社あたりは金融庁から脅しをかけ、外国人がいたらその国の政府に土下座外交をして押さえつけてもらい、日本人がいたら公安が脅して訴訟を起こす権利を奪う必要があるわけですね。それをやったらもはや民主主義国じゃないです。ていうか外国人は対応が無理そう。

というわけで法的整理はうまくいきそうにありません。国民負担を増やして解決するカネミ倉庫方式か、あるいは延々と賠償金を払い続けるチッソ方式か。shasaiwatchはチッソ方式しかないのだとろうなあと思っています。カネミ倉庫の国民負担は年間2億で済むけれども、東電は国民負担の規模が大きすぎます。

資産負債
X億円 事業価値  40,000億円 一般担保付社債
  40,000億円 銀行借り入れ
  15,000億円 廃炉費用
  30,000億円 除染費用
  50,000億円 未払い賠償金
  40,000億円 原賠機構返済
  15,000億円 非金融債務
  10,000億円 原賠機構優先出資
240,000億円 合計


チッソ方式(生かして何年かかろうとも支払わせる方式)では、打つ手が広がります。まず、非金融債務は生きている企業の場合、日々発生し、日々弁済されるものなので、営業活動を継続している限り、事実上支払わなくとも良い債務です。これでとりあえず1.5兆円ほど負債が圧縮されます。

次に、株主を泣かせましょう。これまで株主の話はほとんど出てきていませんでしたが、shasaiwatchは株主責任だけは絶対に避けて通ることは出来ないと考えていますし、政府もどうやらそのように考えているようで、普通株式ではなく、優先株式を持っています。株主には100%、上場を維持する必要がある場合には99%の減資を呑ませ、政府の優先株を普通株式に転換しましょう。つまり、東電の国有化です。政府の持っている優先株には議決権がついているため、そんなことも可能です。これで優先出資の1兆円も返済しなくて良くなります。

また、債務の上限を固めましょう。保険会社を呼び、廃炉費用、除染費用、未払い賠償金についてそれぞれいくらになるか推算させます。そして、保険料を払う代わりに東電、または政府が推測するこれらの費用を上回った場合には、保険会社が代わりに支払うよう求めるのです。入札を行わせ、もっとも東電や政府に有利な条件を提示した保険会社に受注させましょう。これによって、予想外にこれらの費用が膨らんだ場合でも、東電は保険で支払えばよいので、安心して仕事が出来ます。

社債については、銀行借入で肩代わりしていくしかないでしょう。しかし、銀行借入については、震災前の残高(1.5兆円ぐらい)をDDS(※1)かDES(※2)により、廃炉・賠償・除染よりも支払いを劣後させます。総額1.5兆円であれば、過去の国債バブルの収益や昨今の景気動向から見て、銀行団も呑んでくれるのではないでしょうか。

これらの方法により、返済を要する債務は20兆円まで圧縮することが出来ました。これだけやってもなお、東電復活には133年4ヶ月を要し、2147年までかかるわけですが、法的整理でウンコを撒き散らしながら華々しく散るよりはいくぶんマシだと思います。どうせ廃炉は22世紀までかかるだろうし、銀行筋も133年間金利をもらえて破綻しない企業だと事前に読めるなんて本当は嬉しいでしょうし、完済が近くなってきたら分社化して身売りすることで完済を早められるし、それに

過去100年で

2000倍のインフレが

進んだことを考えると

今後133年で

その平方根ぐらいの

インフレにはなるだろうし

そうなれば何もかも

うやむやに出来るだろうし


これがベストの案だと思います。ドラえもん完成には間に合いませんが、完成したらそれこそドラえもんが何とかしてくれると思ったの世界です。


さて、全3回にわたってお送りしてきました総力特集、いかがでしたでしょうか。そろそろ新しい社債も出てきているので、通常運転に戻りたいと思います。また気になる企業が出てくれば特集してみたいですね。

※1:デット・デット・スワップ。通常の債務に劣後特約をつけること。
※2:デット・エクイティ・スワップ。債務を株式に転換すること。



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【総力特集】東京電力は逝ってしまうのか 第2回

第1回はこちら

前回、東京電力の問題は過去の問題企業全ての合計を上回ると書きましたが、過去に問題を起こした企業の処理はどうなったのでしょう。過去の事例を研究し、東京電力の処理方法を考える際の参考にしてください。


ケース1:水俣病(問題企業:チッソ)

水俣病は、チッソによる有機水銀の水俣湾への放出により発生した公害病です。被害の詳細についてはもっと詳しいサイトがあるかと思いますのでそちらを参照していただくとして、チッソはその後、どのように処理されたのでしょうか。

水俣病の発生と問題の認定を受けてチッソは賠償金の支払いを実施しました。しかし、賠償金はあまりにも多額であったため、チッソは債務超過に転落。熊本県や国の支援を受けながら賠償金を払い続けて来ましたが、1000億円以上の債務超過は解消のしようがなく、また多額の債務超過が負担となりチッソ自身の事業活動に制約が出るようになりました。

最終的にチッソは、事件発生から50年以上を経て、わざわざ特別法を作って会社分割を実施。資産超過の事業会社JNCと、債務超過の親会社チッソに分割され、チッソはJNCの収益をもって水俣病患者への支払い(昨年の実績は130億円程度)を実施しています。おそらく、全ての被害者に支払う債務が完全に確定した時点で、チッソはJNCを上場させ、売却益で全額支払ってしまい、国民負担を残して清算するでしょう。それまで何年かかることやら。

この事例から、東京電力を分割して売却し、損害賠償や廃炉費用に充てることが可能だと分かります。


ケース2:地下鉄サリン事件(問題企業:オウム真理教)

地下鉄サリン事件はオウム真理教が起こしたテロ事件で、地下鉄で猛毒のサリンを撒き、多くの人を殺傷した事件です。オウム真理教を企業というのはどうかという話もありますが、分析対象としては面白いので見ていきます。

オウム真理教は事件後、破産します。要は、テロ被害者への賠償金を支払わなければならず、生かしたまま支払いをさせることが困難とみなされたため、破産手続きにより強制的に賠償金を支払わせることにしたものです。

しかし、ここで問題が発生。テロ被害者に支払われた労災保険のうち、国の負担となる分は国の債権となり、優先債権になることが判明。破産法をそのまま適用すると、労災保険が適用されなかった被害者への支払額が大きく減ることになりました。

そこで政府は、「オウム真理教に係る破産手続における国の債権に関する特例に関する法律」という長い名前の法律を通し、損害賠償請求権を国の債権に優先させるように変更しました。さすが国権の最高機関は違いますね。

この事例から、法律一本で優先債権をブチ破れることが分かります。なお、国ではなく民間の債権をブチ破った場合、財産権侵害で違憲立法になる可能性は否定できません。


ケース3:過払い金破綻事件(問題企業:武富士)

過払い金破綻事件は、多額の過払い金返還債務を負った武富士が資金繰りに窮し会社更生法を申し立てた事件です。比較的最近の事例であり、皆さんもよくご存知かと思います。

過払い金請求は司法書士業界と弁護士業界に一大バブルを巻き起こし、現在は終息に向かっていますが、これしか出来ない無能事務所などでは、依然としてこのビジネスモデルにしがみついているところがあります。大手事務所では、杉山事務所の広告とか見ていると詐欺教唆の要件を満たすのかどうか考えてしまう広告の出し方をしていますね。

閑話休題、武富士は結局、こうした過払い金の支払いに耐え切れず会社更生法を申請。この際問題になったのが倒産時点で過払い金の返還請求をしていない債務者の取り扱いでした。結局武富士のケースでは、大幅に債権届出期間を引き延ばし、期間内に届け出のなかったものについては失効、さらに過払い金返還請求債務は一般債権として取り扱い、大幅な債権カットで更生計画成立という乱暴と言えば乱暴、原則どおりと言えば原則どおりという、言葉ではとても言い表せない思いがこみ上げてくる結果となりました。

この事例から、東電のケースでも下手に法的整理に移行すると泣くのは損害賠償請求権者であること、また倒産手続の運用次第では将来発生する債務をぶっ飛ばすことが出来るということが分かります。


ケース4:カネミ油症事件(問題企業:カネミ倉庫)

カネミ油症事件は、カネミ倉庫が製造した食用油にPCBが混入し、健康被害を引き起こした事件です。PCBを製造したカネカも被告企業ですが、今回はカネミ倉庫のみを対象とします。

カネミ倉庫はこの事件により、他の事例同様に多額の損害賠償債務と被害者への医療費支払い義務を負うことになりました。この医療費支払い義務というのが厄介で、一時金ではなく、毎年発生する費用です。この費用をカネミ倉庫は政府保管米の保管料によって捻出しており、その契約は随意契約となっています。この契約、一時随意契約廃止の流れに沿って取りやめになったこともあるらしいのですが、患者団体の要望で再び随意契約が復活。現在に至っているそうです。

事実上、カネミ倉庫は国が発注支援を行うことで生き延び、被害者に賠償を行っている企業であり、完全なゾンビ企業と言えます。しかし、発注支援をしないと生きていけないことも事実であり、そうなれば患者への支払いも出来なくなるという実に厄介な袋小路に入り込んでしまいました。

この事例からは、賠償金の支払い方法を誤ると企業そのものが破綻、またはゾンビ化するということが分かります。


まとめ

著名な事例を採り上げましたが、社会問題を引き起こした企業の中には裁判で勝利することによって自らの支払い能力の範囲内に賠償金を抑制することに成功している企業もあります(イタイイタイ病、四日市ぜんそくなど)。

しかし、今回の東京電力の事例は、既に東京電力の支払い能力を超える賠償金が支払われており、またその支払いは妥当なものであるとshasaiwatchは考えています。そのため、今回の事例は支払い能力を超える支払いが必要となった企業に限定しています。また、こうした劇的で大きな事例に限らずとも、より賠償規模の小さい事件であっても、企業規模によっては支払い能力を超えることがままあり。

例えば、フーズ・フォーラス(殺人ユッケ食中毒事件)は事業譲渡を実施し、その後特別清算によって倒産しています。おそらく私的整理によって我々の眼の届かないところで賠償金を支払い(あるいは支払いきれず)、全ての事業を売り払って倒産したものと考えられます。私的整理は取り扱いが難しいですが、近年は私的整理ガイドラインや事業再生ADRなど、私的整理分野も発展してきており、こうした知見も東電処理に応用できるかもしれません。

次回(最終回)は「東京電力と福島原発の財務的処理方法。利点と欠点」としてこうした事例をもとに東電の財務的処理方法を探っていきたいと思います。お楽しみに!

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【総力特集】東京電力は逝ってしまうのか 第1回

東京電力の法的整理論や分社論が騒がれています。東京電力は倒産してしまうのか、また、原発事故を終わりにするためには東京電力をどうすべきなのか。当ブログでは総力特集として東京電力を全3回に渡って採り上げます。

特集内容
第1回:東京電力の財政状態と問題点
第2回:大事件を起こした企業:過去の事例研究
第3回:東京電力と福島原発の財務的処理方法。利点と欠点

今回は第1回:東京電力の財政状態と問題点についてです。まずは東京電力の平成25年度半期決算を見てみましょう。
ソースはEDINET

平成25年9月期 中間決算の貸借対照表(単位:十億円)
総資産14,565
原発関連資産3,309
(原発設備)730
(核燃料)806
(核燃料サイクル積立金)1,032
(未収原賠機構交付金)741
それ以外の資産8,256
総負債12,783
原発関連債務2,955
(核燃料サイクル引当金)1,144
(損害賠償引当金)1,115
(災害損失引当金)696
それ以外の負債9,828
純資産1,782

平成25年9月期 中間決算の損益計算書(単位:十億円)
売上高3,216
営業費用3,049
営業利益167
営業外損益-25
経常利益142
特別利益741
特別損失253
税引前当期利益630
当期純利益616



雑に計算してみました。固定資産仮勘定1兆971億円や資産除去債務8343億円は原発関連から除外していますが、原発関連のものが結構な割合を占めることは確実です。

この決算内容には、賠償金や除染費用が全て計上されているわけではありません。除染費用を現実路線(年間20ミリシーベルト)に転換したと仮定しても、東電に請求されれば多額の債務を計上することになるのは確実であり、また原発関連資産で福島第一原発、福島第二原発関連の資産が依然として計上されている可能性があること、柏崎刈羽原発の再稼動も未定であることなどを考えると、東京電力は実質的に大幅な債務超過に陥っていることは確実です。

また、事実上の簿外負債というべきものもあります。原子力損害賠償支援機構による交付金です。

現在、原子力損害賠償支援機構は、東京電力が損害賠償金を支払うにあたって必要な資金を交付する法人であり、これまでに東京電力に対し支払った交付金(交付国債)は3兆円を超えます。さらに機構は東電の株式1兆円を引き受けており、合計で4兆円以上の資金援助を実施しています。

東京電力は、これらの交付金を全て利益計上(優先株はのぞく)していますが、実際にはこれ、特別負担金という形で返済する必要があります。つまり、実態が債務超過である上に、3兆円以上の簿外負債があるってこと。どうすんだこれ。

また、有利子負債は8兆円存在しており、そのうち社債が半分以上を占めると見られます。社債はおそらく、一般担保付であり、先取特権が付与されているでしょう。ざっと4兆円の有利子負債が一般担保付だと推測しておきましょう。これも問題になっているところです。後で述べる東電の法的整理の際にこれが障害になるのです。

しかし、朗報もあります。事故関連の賠償金支払いを除いた営業キャッシュフローが黒字に転換しており、半年で3000億円程度の営業キャッシュフローを計上することが出来ました。フリーキャッシュフローも黒字転換しており、今後、原発再稼動などで業績が一層好転すれば、さらにキャッシュフローの上積みが出来、賠償金や事故の処理費用等の支払いが可能になる見通しが、ようやく立ってきたと言えます。何年かかるか分かりませんが

なお、当期の賠償金の支払いについては、半年間で8,727億円を支払い。一方で8,170億円の原賠機構交付金を受け取っているため、実際の賠償金の支払いは依然として借入(交付金と称する利益計上)に依存しています。

東京電力の財務内容まとめ
・東京電力の半期決算は、本業の収益力が大きく拡大。原発再稼動なら事故の財務的収束に向け大きな一歩か
・黒字転換を受け、財務的処理に向けて「次の一手」が求められる段階にきている
・財務内容はズタボロ。しかもこれから廃炉費用や損害賠償が追加で発生。交付金の返済も必要
・議決権の過半数を国が握っており、政治リスクが極めて高い。株も社債も投資判断は買い非推奨
・問題の規模は過去に社会問題を引き起こした企業全ての合計を上回る。問題はとてつもなく複雑

こうした現状を受け、問題解決の手法を探っていきます。次回は「過去に事件を大事件を起こした企業の研究」です。お楽しみに!


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SBIソーシャルレンディングの不動産担保事業者ローンファンドってどうよ

復帰です。まずはお約束していて遅れていましたが、SBIソーシャルレンディングの不動産担保ローン事業者ファンドについてです。過去にも言及したような気がするのですが、ご希望もあることですし、再度?解説していきます。

1.そもそも、何に投資しているのか
これは、マチ金に対する融資に投資しています。東京都内の貸金業者で、不動産担保で融資する会社に対してSBISLが融資を行い、我々投資家はそれに対し金主として投資するというものです。このマチ金は、合法的に貸金業を営んでおり、業暦3年以上、かつ過払い金問題のない先ということなので、もともと不動産担保融資専門でそれほど高い金利を取っていなかった結果、過払い金が発生しなかったラッキーな貸金業者が対象なのだと思われます

2.安全性はどうか
ファンドの安全性は、「マチ金が倒産しないか」「倒産した時に返ってくるか」に依存しています。今回のファンドでは、マチ金の企業名や財務内容は公開されていませんので、正直分かりません。潰れちゃうかもしれません。つまり、「倒産した時に返ってくるか」によって今回のファンドは評価されるべきです。

では、倒産した時の返済可能性は、どのように担保しているかというと、マチ金が融資をした時、マチ金からお金を借りる人の不動産を担保に取るわけですが、その担保権に質権を設定し、マチ金が倒産した時にはその質権を行使して担保権を取得。お金を借りた人が返済できなければ取得した担保権に基づき不動産を売っぱらって回収し、我々に資金を返すという方法で担保しています。

ここでもし、不動産が思い通りの値段で売れなければ我々に損失が回ってくるので、あらかじめ不動産の評価額の70%を限度に担保権を設定し、不動産が安値で処分された時のリスクに備えています。

ただ、不動産の評価というのは結構「水もの」で、一応路線価などの基準はあるものの、基本的には相対取引で決められます。マチ金が不動産の評価をあまりに高く評価していて、SBISLもそれを追認していたような場合、実際に売ってみたら評価額に全然足りませんでしたということもあるでしょう。我々がどこにあるどのような不動産なのか特定できない以上、そういうことをされるおそれというのは否定できません。

ただ、一応合法的に3年以上経営を行っている貸金業者ということなので、一応真っ当な企業だと思われるわけで、それを潰してまで我々投資家の金を持ち逃げするかと言えば、さすがに疑いすぎのようにも思います。ただ、何も確証がないまま投資を決定するというのは事実なので、やはり一定踏み越えなければならないリスクというものは残ります。

3.収益性はどうか
ファンドからマチ金への融資は、年利5.5%で行われます。そしてSBISLが2.5%の手数料を差し引いて3.0%が我々への配当になる予定です。SBISLは今回、なんら貸倒リスクを取らず、アレンジメントだけで年間2.5%ふんだくっていくわけで、正直ボッタクリ感はあるのですが、決して競合が多いとはいえないこの世界、やむを得ないと思います。また、今回初めてこのファンドシリーズに投資する人には、キャッシュバックキャンペーンがあります。

平成25年12月17日15時までに実際に出資金の預託をした人で、SBISL不動産担保ローン事業者ファンドに初めて出資する人は、出資の合計額に応じて最大1.5%(3000万円以上)のキャッシュバックが受けられます。期間が14ヶ月ということを考えると、キャッシュバックキャンペーンを加味すれば、収益性はいいと言えます。

なお、当ブログはSBIソーシャルレンディングとタイアップキャンペーンを実施しております詳細記事)。当ブログのバナーをクリックしてSBISLに口座開設を申し込むと、先着100名様に2,000円、その後は1,500円のプレゼントがもらえます。ソーシャルファイナンスは今後、拡大が見込まれる分野で、今回のファンドへの投資の是非はともかくとして、口座を持っておき、新商品をウォッチすることは決してマイナスにはならないと思います。検討してみてはいかがでしょうか。

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体調不良

季節の変わり目にはいっつもやられてしまいます。ひどくはないのですぐ復帰します。

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スペイン開発金融公庫が個人向け社債発行!

スペイン開発金融公庫が個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:3年
金利条件:0.80%~1.20%
発行総額:未定
社債額面:100万円
募集期間:平成25年11月22日~平成25年11月28日
格付け:BBB
その他:スペイン王国による保証付き

みずほ銀行から発売される、スペイン開発金融公庫(スペインの政府系金融機関)の債券が出てきました。期間は3年、金利は1.00%が中央値と最近の社債枯れの状況下では魅力的です。

しかし、スペインの財政状態は依然、予断を許さない状態が続いています。フィッチによると、スペインの格付けはBBB(安定的)にまで引き上げられましたが、財政状態の改善のためにはペセタの復活や国債の長期への借り換えなどが必要とされており、もしそうなればスペインではハイパーインフレが発生、ペセタ安が発生し外貨建て債務の支払いに行き詰るといった可能性も指摘されています。

我々は、ギリシャ国債がデフォルトし、強制的に債務再編された歴史をつい最近目の当たりにしました。失業率25%超、若年失業率50%超、移民の帰国と人材流出による人口減に見舞われている国に対し、3年1.00%という金利で投資をするというのはやはり危険です。1%程度の金利でそういうリスクは取るべきではないです。

投資判断は買い非推奨とします。最近の社債の中ではリターンのいい方ですが、リスクが高すぎます。

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BNPパリバが個人向け社債発行!

ビー・エヌ・ピー・パリバが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:4年
金利条件:0.20%~0.40%
発行総額:150億円
社債額面:100万円
募集期間:平成25年11月19日~平成25年12月10日
格付け:A2

BNPパリバが起債です!

(再掲)
買い方ですが、コンピュータの性能と通信速度もありますが、手続きの途中で、目論見書を投資判断は買い非推奨です。コメント欄の内輪ネタぐらいしか書くことがありません。終了!買えるかこんなもん!

P.S
コメント欄で話題のSBISLの2ファンドについては、週末あたりに分析してみたいと思います。株も社債も手を出しづらい時はソーシャルファイナンスに限る!

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山本太郎のアレはいかんでしょ

田中正造(ウィキメディア・コモンズ)

参院議員の山本太郎が園遊会で天皇陛下に手紙を渡した件が問題になっていますが、議員辞職モノの不祥事です。一部には平成の田中正造と称える向きもありますが、田中正造と比較するのは田中正造に失礼です。

というわけで、今日は少し社債の話を外れて、田中正造について書いてみたいと思います。田中正造は幕末の生まれで、若い時から政治運動の道に入り、投獄されたりもしています。まあ、この辺の動きは幕末の激動期を過ごした人間にとってはさほど珍しいものではありません。その後、地元で地方議員を10年以上務め、県会議長にまで出世。第1回衆議院議員選挙に立候補し、初当選。以後辞職まで当選6回。立派な経歴です。

当時は、直接税を15円以上納税しないと選挙権・被選挙権とも得られませんでしたので、田中正造は最近流行った分類法でいけば、上位1%の連中の中に入ります。このあたり、山本太郎とその支持者達は理解しているのでしょうかね。

さて、田中正造が衆院議員となった年、足尾銅山鉱毒事件が発生。田中正造はこの問題の解決に奔走します。そして運動の結果、ろ過池・堆積池の設置や脱硫装置の設置などを義務付けさせることに成功しています。しかしながら、これらは根本的解決に至りませんでした。

足尾銅山鉱毒事件がこれだけ長引いた背景には、当時、銅は日本の主要な輸出産品であったことが挙げられます。最貧国が先進国になるためのモデルとして、まず資源輸出を行い、次いで繊維製品の輸出、次に重厚長大型産業の発展、製造業の拡大発展という流れがありますので、こうした流れの中で日本政府は銅山の操業を支援していたという事情があるのです。そして、足尾銅山は当時、日本最大の銅山でした。

こうした事情は当時から政府側にも反対運動側にも共有されており、それゆえ、その運動の目標も鉱毒防止であり、銅山閉鎖ではありませんでした。こうした態度を山本太郎は理解しているのでしょうか。思いつきのパフォーマンスに過去の偉人を持ち出しているだけではないでしょうか。

さて、鉱毒事件が収束を見せず、政府の対策も効果が薄い中、ついに田中正造は天皇への直訴に及びます。しかし、田中正造は天皇に直訴する前に議員辞職をし、妻に離縁状を叩きつけてその後に直訴に及んでいます。権力の中枢で散々もがいた後、それらに絶望した上で主権者である天皇に対し直訴を行う。また、それにあたり周囲に迷惑をかけないよう、離婚までしてから行動。覚悟も違えば用意も周到です。

直訴状の全文は→で読むことが出来ます(田中正造とその郷土 直訴状全文)が、原文は幸徳秋水が原案を書き、本人が一部手を入れて実印を押したものだそうです。山本太郎の手紙は本人が書いたものなのでしょうか。本人に幸徳秋水レベルの教養があるとは思えませんし、やっぱり周りに文章書かせたのかな、質問趣意書も社民党のコピペだし。

議員人生を鉱毒事件のために捧げ、万策尽き果てて直訴も已む無しと判断するに至るまでの田中正造の心境は誠に同情に値するものです。実際当時の世論もそうだったようで、田中正造は狂人として無罪釈放となり、世論は沸騰、政府も再度対策に乗り出すことになったのです。結果として直訴は田中正造の意図通りに世の中を動かすことに成功しましたが、それは命を賭けた行動があり、それを裏付ける悲惨な実態があってこそなのです。

一方山本太郎はどうでしょう。原発事故の時、2~3年後福島では放射線障害で人がバタバタ死ぬとされていました。今は4~5年後とか、10~20年後とか言われています。反原発運動はもはやノストラダムスの予言やマヤの予言と同じで、終末の日を遅らせて信者を維持しようという試みに堕しており、一時我々が期待したものは全て、極左暴力集団の一部を構成してそれで終わってしまいました。原発作業員の実態については、潜入ジャーナリストがあちこちでルポを書いてますね。肉体労働で神経を使う仕事だとは思いますが、最大の問題は多重請負構造であり、被曝ではないと、そうしたルポを読んで感じました。

なお、過去の天皇に対する直訴は4件あり、有名なものは田中正造のものと、北原泰作(部落開放運動家)が軍人時代に軍隊内での部落差別をなくすよう直訴したものの2件です。これらの直訴は、それぞれその2年後の別の直訴事件を誘発しています。

今回、山本太郎に対し参議院は厳しい対応をするべきです。さもなければ天皇に対し直訴を行っても、罰せられることがないという先例を作ることとなり、一方で直訴事件は大きくマスコミ等で取り扱われるのは確実なので、模倣する輩が続出するものと考えられるためです。

本当は、天皇の権威と世俗的権力の分離という観点からも批判したいのですが、たぶん他の誰かがやるだろうし、長くなってきたので今日はこの辺で。いい社債が出ないとどうしてもこういうネタになっちゃいますね。

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マネックスが個人向け社債発行!

マネックス・グループが個人向け社債を発行することが分かりました。
ソースはEDINET

発行要項
償還期限:5年
金利条件:1.50%
発行総額:50億円
社債額面:1万円
募集期間:平成25年11月1日~平成25年11月11日
格付け:BBB

先月に続きマネックス債の登場です。市場環境が先月と比べ大きく変わっているとは言いがたいため、引き続き投資判断は買い推奨とします。毎回ここはいきなり起債、いきなり発売開始なので、我々個人投資家としては困惑です。

あらかじめ口座開設しといて、資金も一定入れておけよというメッセージも含まれているのかもしれませんが、普段新生銀行とか、大手都銀とか、ネット銀行あたりに資金をプールしておいて買いたい社債が出るたびに資金移動をするということをやってる投資家側からすると、告知してから発売開始まで少し間があった方がありがたいです。
マネックス証券に口座開設

個人向け社債投資を始めて間もない方のために説明しておきますと、個人向け社債は販売する証券会社に口座がないと買えません。そこで、販売する証券会社ごとに口座を持つことになるわけですが、次にどこの証券会社から、どこの企業の個人向け社債が出るかというのは分かりません

そこで、例えば新生銀行だと、新生銀行にお金をある程度入れて普通預金か2週間定期とかにしておいて、SBI証券から買いたい社債が出たら新生からSBIへ、マネックスから買いたい社債が出たら新生からマネックスへと資金を移動させ、そして買うという方法を取ると、投資する予定の余裕資金は全て新生銀行に集約しておくことが出来るというものです。

普通預金等の実質無利子の資金があちこちに分散していると管理が面倒ですし、何より全力買いしたい時にあちこちの銀行から資金を集めてこなければならず、手間も費用もかかります。証券会社の口座はなるべくたくさん持った方がいいですが、投資用の余裕資金口座はなるべく絞り込むのが快適投資ライフのコツです。





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