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なぜ、イオン銀行は救済されないと思うのか

イオンFSの劣後債の記事を書いた時に、コメント欄でイオン銀行がなぜ当局による救済の対象とならないと思うのかについてです。コメント欄に返信しようとも思ったのですが、長くなりそうなので記事にしてみることにしました。

・イオン銀行の歴史と「ある事情」
イオン銀行は、イオングループの銀行部門として発足した銀行で、開業当初は3ヶ月2.0%という高金利で預金集めをして大きな話題を呼びました。しかし、開業前にはもともとのイオンの「お行儀の悪さ」から、テナントに融資を押し込むんじゃないかとか、取引のないテナントを排除するんじゃないかとか、そうして獲得した取引先のメインバンクにのし上がった上で金利を上げるなどの方法で締め上げるんじゃないかとか、そういう噂を流され、免許取得には苦労があったようです。

そのあたりの問題が解決したのかしていないのか、とにかくイオン銀行は開業にこぎつけましたが、前述の高金利での預金集めに伴い、金利支払いが他の銀行に比べて多い一方、運用先がないという問題に直面し、当初数期は大赤字を垂れ流します。住宅ローンを始めてみたり、WAONとの連携をしてみたり、投信・保険を売ってみたりと様々な努力がなされましたが、どれも抜本的な解決には至りませんでした。そうした中、イオン銀行に天からの贈り物が届きます。

・日本振興銀行の倒産、そしてイオン銀行への吸収
同じく高金利で預金集めをして倒産した日本振興銀行のスポンサーとならないかという話が来たのです。振興銀の顧客基盤を獲得できる千載一遇のチャンスにイオン銀行は飛びつきます。しかし、日本振興銀行は単に統合の対象とするにはあまりにも大きな問題点を抱えていたのです。

・SFCG状態の振興銀、顧客の質も悪く、従業員の質も悪い
日本振興銀行は、高金利で預金集めをし、高金利で貸し出す「ミドルリスク・ミドルリターン」を謳う銀行でした。しかし、日本の中小企業金融の実態はそれほど甘いものではなく、振興銀の顧客は既存の銀行に見捨てられた「ハイリスク」層ばかり。さらに既存の銀行から「振興銀と取引する顧客は危ない」と見做されるようになり、自行が融資したという事実がますます顧客のリスクを上げるという悪循環にはまり込んでいきました。

日本振興銀行がこうした苦境から脱する方法として考えたのが、「不良債権の飛ばし」と「マチ金との連携」でした。振興銀は「振興銀ネットワーク」と呼ばれる複雑怪奇な取引先ネットワークを構築し、多数の取引先に融資を実行し、その資金をネットワーク内で回し、最終的に自社の株式として銀行に還流するシステムを構築します。これにより見かけ上のTier1を実態に比べて水増しするというテクニックを開発、実行しました。また、ロプロやSFCGなどのマチ金と連携、当時過払い金問題で資金需要が増していたマチ金から債権を安く買い取り、回収することで差益を上げるというサービサー的な業務にも進出しました。

これら一連のプロセスを実施する中で、心ある人物は振興銀を去り、残ったのはSFCG的人材のみ。社会的使命を果たして後に儲ける銀行の本旨はどこへやら、儲かれば後はどうでもいいと心底思っている人間が幅を利かす会社になっていたとのことです。

・日本振興銀行の死、その原因はSFCG
こうした日本振興銀行を実質的に殺したのは、SFCGの大島健伸であると断言出来ます。前述の債権買取ビジネスを実施する中で振興銀はSFCGから債権を購入していたのですが、これらの買い取った債権のうち相当額が「多重譲渡された債権」であったことが判明します。SFCGは、他社に既に売却した後の債権をさらに振興銀に売却することで二重に資金を受け取っていたのです。

当ブログはこの記事が報道された直後、振興銀の事業継続は困難であるとして預金引き上げを読者に推奨しました。当時はあまり相手にされませんでしたが、その後しばらくして金融庁の検査が入り、検査妨害などの事件があった末、振興銀は債務超過であることを認め、民事再生を申し立て倒産しました。倒産にあたっては日本初のペイオフが実施され、1000万円とその利息を超える額が保護の対象外とされました。shasaiwatchとしてはMARS事件と並ぶ予測記事であったと考えております(ドヤ顔)。

話が少し逸れますが、大島健伸は詐欺再生罪などで現在公判中。求刑は懲役8年で判決言い渡しは今年の4月30日だとか。日本振興銀行で痛い目にあった人は、諸悪の根源であるコイツが本当に収監されるかどうかキッチリ見ておくべきでしょう。個人的には終身刑がふさわしい人物だと思いますが、そこは法治国家のやるせないところです。

・闇に手を突っ込んだイオン銀行
さて、ようやく話をイオン銀行に戻しますが、こうした闇の中に手を突っ込んだのがイオン銀行です。日本振興銀行は第二日本承継銀行(のちにイオンコミュニティ銀行)を経てイオン銀行に売却されました。もちろん、そういう闇のリスクも含めて買収額に織り込んだはずなので、財務内容が毀損するレベルには至っていないと思いますが、今日に至っても「元・振興銀ネットワーク」の企業が法的整理に至っているところから見て、いまだに処理しきれていない部分もあるのでしょう。しかしながら、融資基盤を全く持たないイオン銀行が手っ取り早く融資を伸ばし、黒字転換するためにはこれ以外に方法が無かったのも事実です。

・これでもまだ、当局は救済すると思いますか?
イオン銀行は、日本初のペイオフを引き起こした銀行を引継ぎ、その内部の闇に手を突っ込みました。また、設立当初の経緯も少しゴタゴタしていましたし、そもそも21世紀設立の銀行で、あいまいな言い方ですが、「体制側の銀行」と見做されていません。また、闇の方は時間とともに光が当てられ、処理されていくのでしょうが、日本振興銀行が抱えていた顧客基盤の弱さそのものは依然解消されていません。この銀行が融資する事業会社はリスクが高い。振興銀がそう見做されていたように、イオン銀行も依然として「体制側の銀行」から振興銀と同一視されています。この評価を覆すには相当な時間が必要です。こうして現状のイオン銀行を取り巻く環境を総合的に考えると、何かあったときに当局がイオン銀行のペイオフなし救済に踏み切るとは考えにくいのです。

・最後にこれだけは
最後まで読んでいただいてありがとうございました。なお、

イオン銀行が現時点で経営や財務内容が悪く、倒産寸前であるとかそういう意味の記事ではないので、誤解なきようお願いいたします。
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コメント


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クレジットカード等との連携は見事。

イオンカードとWAON等と、住宅ローンなどの獲得は見事の一言に尽きますよ。
この銀行のクレジットカードの稼働率は、他行の比較にならない程高く、7割程度が稼働して収益を生みます。
住宅ローンなどをここで借りれば、イオンでは5%オフで買い物が出来たり、生活の中にイオンのある世帯では、イオン銀行の存在は大きい物です。
そんなに馬鹿にしたもんじゃないと思いますよ。
当然発足したばかりで、稚拙な点や制度的な不備も多いですが、私は時期にその辺の地銀を追い越す勢いで邁進して行くと思いますよ。
法人融資も始めましたしね。

ぽてと | URL | 2014-04-25(Fri)00:56 [編集]


そうはいっても、バックにイオンがいるのはでかいよ。
なんだかんだ言って支えきるんじゃないの?

取引先や下請け系へのお行儀の悪さは相変わらずだけど、7&Iも似たようなもんだろw
イオンに行くとトップバリュ推しはすごいものの、NBでもそんなに安くはないけど、地域の2番手くらいにいて、ある程度まとまった種類を買うと結果一番安かったりもする。そういうスーパーは強いよ。

無記名債さん | URL | 2014-03-26(Wed)17:45 [編集]


結果的にそうなっただけ
小泉政権 退色を狙った
反対勢力の狼煙の急先鋒だったでしょ

木村氏は マスゴミに叩かれっぱなし
サンデーモーニングでは
異才として 持てはやらせていたし

同属企業への融資が
問題となっていたようだけれども
当事者じゃないので
良く判らん

うんこくさい話が
大好きなのが
馬鹿 マスゴミ

無記名債さん | URL | 2014-03-25(Tue)00:08 [編集]


夢見てたか
呆けてるんだろうな
幸せさんやなぁ
そっとしとこうね

無記名債さん | URL | 2014-03-25(Tue)00:02 [編集]


↓ 二つ下の方
日本語が解らないようなので
預金や 投資は 

止めましょう
大怪我をします

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)23:24 [編集]


新生 5年 1.7 1月償還
東スター 5年 1.65% 4月償還
SBJ 5年 2% 10月償還

社債発行者
そこんとこ よろしく

でも 個人向け国債だろうね


無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)23:22 [編集]


ペイオフ決定時に
それまでの期間の利息は保障でスマス

ご心配無く

きっちり戴きました

別に信じなくても
痛くも痒くもないですけど

疑うんなら
疑ってください

別に~
好き勝手にして です

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)23:17 [編集]


定期預入から2〜3ヶ月で破綻で破綻時解約なら
解約利息(普通預金並み)分のみだよ
破綻整理完了時(確か9ヶ月後?)に解約なら
破綻確定日までが約定金利その後9ヶ月はほぼ普通預金並
だよ

こんな感じだろ

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)23:08 [編集]


そそ
思い出しました

確か10年で2%越え
5年で1.7%だったと思います

それで
10年2%越えにするべきでした

結果は歴然
同じ期間でも 1.7よりは10年で
早期償還の方がお得でしたね

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)22:50 [編集]


実体験です
預金保険機構に
数度 電話して確かめました

ペイオフが発動されてから
どういった期間で返済されるかと言うことです

最終的には
金融機関は決済機関ですから
どうせ発動するなら
速やかにするのではということです

国の威信に係わりますからね

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)22:42 [編集]


ウソ言うな(笑)
もしくはボケた?

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)19:23 [編集]


迷って迷って
10年1.7%で1000万突っ込みましたが
サクッと2%越えの時に預金しておけば良かった
と思いました
ペイオフの対象でしたからね

確か2~3ヶ月で
1.7%分の利子と共に
返却され 痛くも痒くも無かったです

ア~悔やまれる

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)18:50 [編集]


主へ
ちなみに韓国系金融機関はどう思います?

個人的には逃げ足作っておいてやる分にはいいと思うけど・・・・

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)17:41 [編集]


違うがなっ!

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)15:15 [編集]


たしか日本振興銀行へ2000万預金してた、どこかのおばさんが
NHKのニュース画面で“1000万パー!”と騒いでたのを記憶している
ここのスポンサーがイオン銀行だったのね、、、、、、。

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)14:37 [編集]


いえいえ、恨みなんかじゃないと思いますよ。
たしかイオン信者でしたね。
だからこそのこの記事です。

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)10:12 [編集]


なにかイオンに恨みでもあるのかな?

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)09:23 [編集]


おみごと

良い記事です。私は日本振興銀行へ2.1%で1000万預けていました。
こんな銀行信用していませんでしたが、預金保護機構があるからいいやと思っていました。
破綻後、預金が戻ってくるまで半年近く掛かったような思い出があります。
何も知らない人はイオンだからと安心しているのでしょうねw

阪神 | URL | 2014-03-24(Mon)08:53 [編集]


誰が読むか、人生に残された時間、もったいない。

無記名債さん | URL | 2014-03-24(Mon)07:11 [編集]


さすがshasaiwatch氏の詳細な解説
大変 勉強になりました。

無記名債さん | URL | 2014-03-23(Sun)21:09 [編集]