証券取引等監視委員会のウェブサイトに掲載された情報をもとに、ここのファンドの問題点を整理すると
・匿名組合の口座と営業者の口座が分別管理されていなかった
・事業を開始していない段階で資金の分配を開始
・当然、収益がないのに分配するため、他のファンドから金を借りて分配
とまあ、正直行政処分勧告受けてもしょうがないレベルのことをやらかしていると言えます。
匿名組合の口座と営業者の口座の未分別はうっかりミスとして許せる範囲内(というよりも、この基準を満たしていないファンドは多い)ですが、他のファンドから資金融通を受けて分配金を支払うのは、一歩間違えばポンジ・スキームであり、厳しく糾弾されて然るべきものです。また、他のファンドに対して資金融通を行うのは、ファンドの目的から見て明らかな違反行為です。
おひさまエネルギーファンドのウェブサイトには色々と言い訳がましいことが書いてありますが、こういう時に運営会社の言い分を聞かないのは鉄則です。ただちに本来あるべき状況に復帰させ、その旨を証拠書類付きで投資家に説明しなければ、資金の引き揚げを検討するべきです。
この運営会社は、採り上げようと思ったことが何度かあるのですが、謎のアラームが頭の中で鳴って採り上げるのをやめたことがあります。結果論ですが、採り上げないで正解でした(笑)。
オルタナティブ投資の世界は市場そのものが未成熟であり、また詐欺師等の魑魅魍魎が蠢く世界でもあります。shasaiwatchはこの業界が健全に成長していくことを強く期待しています。しかし、こういう事件を見るとまだ、この世界は虎の子を突っ込む世界ではないなと思った次第。分散投資の一環として、なくなってもいい金額を投資するに留めておいた方がいいでしょうね。