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住友不動産のサーフってどうよ

コメント欄にありましたが、住友不動産が販売しているファンド商品である「サーフシリーズ」についてshasaiwatchなりの分析をします。

この商品は、住友不動産が所有している商業用不動産やマンションなどを証券化したものです。住友不動産が営業者となり、匿名組合を作って出資金を我々から集めます。この出資金は会計上、住友不動産の負債と認識されます。ただし、匿名組合が損失を出した場合は損失相当額の分は返済義務がありません。

住友不動産は集めたお金と、自ら匿名組合に出資したお金でその不動産を購入します(自分で持っている不動産を自分が買うというのも不思議な話ですが)。そして購入した物件を賃貸して利益を出し、その利益を我々に優先的に分配し、分配後の余った資金は一部を我々への追加配当とするほかは自分の懐に入れます。

最後に、過去の運用実績÷定められた利率で住友不動産が匿名組合から買い取り(これも奇妙な話です)、売却代金で当初出資した資金を返済します。この売却代金が元本割れすると、投資家に損失が生じますが、住友不動産が30%までの損失は劣後出資によって引き受けるという仕組みで、損失が30%以内におさまれば我々一般投資家に損失は出ません。

匿名組合+優先劣後構造という不動産ファンドにはよくある形態で、比較的まともなファンドだとshasaiwatchは考えます。中身がいいか悪いかは募集ごとに確認していく必要がありますが、こうしたファンドがもっと一般化すれば投資も随分変わってくると思います。

住友不動産がこれを行うメリットは、おそらく2点だろうと推測しています。一つは資産の効率的運用です。賃貸収入のうち、我々に支払われる金利以外はほぼ住友不動産の懐に入る仕組みです。劣後出資の形を取ることでビルの代金の30%の出資で利益を上げることが可能になります。もっとも、その分高リスクになるわけですが。もう一つは住友不動産の資金調達です。所有するビルを証券化してその後買い戻すことで、実質的にビルを担保に資金調達を行っていることと同じ効果が得られます。

日本の不動産業は財務体質がいかに良好であっても信用力は低く、融資を打ち切られる危険性が常につきまといます。こうした企業は常に資金調達方法の多様化を図っていかなければいけません。証券化という手法はその意味で不動産業界の救世主でした。

しかし、証券化を利用して一儲けを企んだり、証券化に資金調達を依存した企業はリーマン・ショックで片っ端から倒産しました。住友不動産のように、あくまで多様な資金調達手段の一つとして位置付ける業者は生き残りましたが・・・

リスクとしては、住友不動産が倒産した時にどうなるのか?が最大のリスクになるでしょう。住友不動産の物件を購入し、事業をするのも住友不動産、投資の最後に物件を売却するのも住友不動産です。おそらく保護はないでしょう。

次のリスクとしては、嵌め込まれリスクです。実績の賃貸利益をもとに最初の購入額が決まりますが、直後にテナントが撤退し、次のテナントも決まっていないような場合、実績の利益は大きくとも今後生まれるキャッシュフローは少ないということが考えられます。我々はそれを知りませんが、住友不動産は間違いなくそれを知っています。住友不動産がきっちりそれを開示するかどうかですが、知っていて開示しなければ我々は嵌め込まれます。もっとも、住友不動産が30%の劣後出資をすることを考えればそこまで気にしないでもいいのかもしれませんが・・・最低限の自衛として空室率が上昇傾向にある時に買わないということは必要でしょう。

このあたりの見極めが出来れば、住友不動産の社債に比べ1%程度スプレッドのあるサーフは投資商品としてはいい商品だと思います。東京建物のインベスト・プラスシリーズも基本的には同類の商品です。
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コメント


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社債ウオッチ様、詳細な解説、ありがとうございました。住信SBIの1年定期も0.5になりましたし、やはり社債しかない?(汗)。数年後に財政の問題で円が暴落するからいまのうちに外貨を買っておけという無責任な人も多いですが、為替損益が非課税でいつでも出せるな外貨MMFを豪ドルが70円ぐらいになったら長期保有で持つならありでしょうか?

keikei | URL | 2010-06-12(Sat)19:39 [編集]